学校でも新学年を迎え、入学式・始業式と行事が多かったことと思います。学校生活がようやく落ち着いたころにはすぐGW…でも、受験生にとっては「遊ぶ期間」ではなく「勉強漬けになる期間」かもしれませんね。
今年の開成中学の国語は、再び「漢字以外は全問記述」というスタイルでした。今回は字数指定はありませんでしたが、全ての設問が解答用紙の1.5行、ないしは2行でしたから、およそ50~80字程度でまとめる必要がありそうです。というのも、今回同様に漢字以外は全問記述問題で解答欄も「行」であった平成29年度入試の解答用紙には、次のような注意書きがありました。
一行のらんに二行以上書いたもの、小さすぎる字は減点の対象にします。
これを言い換えるなら、「あれもこれもと余計なことまで書かれている答案は減点対象」ということです。つまり、いかに「過不足なく」記述できるか、を問われるのです。
記述問題に取り組む生徒の解く様子を見ていると、少し考えて書き出してみる。その後再び本文を読みながら何かを書き加える。さらにもう一度本文を読んで…という繰り返しをする人が多いです。こういう手順の記述の仕方はあまり感心できません。何回も書く手を休めていると、最初に書いたことが頭から離れてしまう恐れもあります。また、読み直していくうちに「これもいれたい」「このことも書くべきか」…と、どんどん記述量が増えていくことも考えられます。
私は、授業の中で記述に関して必ず伝えていることがあります。
「記述問題は後ろから考えなさい」
どんなに難問に思える設問でも、文末は必ずわかります。次に、ゴールを先に決めてしまうのです。最初から60字書こうとは思わず、「何がどうした」「誰がどんなだ」等々、主語述語の一言でゴールを決め文末につなげてメモしておきます。(これを私は解答の「柱」と呼んでいます。)最後に、その柱をどのように詳しくするとわかりやすくなるか、という観点で本文から材料を探しチェックします。ここまでできれば、書く材料もすべてそろうので、あとは字数調整をしながら解答欄に記入していくのです。この手順で行けば最初と最後が矛盾するような記述もなくなりますし、余計なことをあれこれ詰め込みすぎる心配もありません。
これは開成中の入試だけでなく、どの中学の入試問題においても通用する手法です。
今まで前から考えて書き足す方法しかやってこなかった人は、是非、意識を変えていきましょう。慣れるまでは大変かもしれませんが、続けていくうちにスピードも上げられます。頑張りましょう!