早いもので、気がつけば今年も残すところ10日ほどです。「光陰矢の如し」と言いますが、時が経つのは本当にあっという間です。また、インフルエンザを中心に感染症も蔓延しています。特に小6生は、ラストスパートのこの時期に一週間も二週間も寝込むようなことは避けたいですね。
さて、何年も中学受験生を指導してきて思うことは、中学入試は必ずしも成績通りの結果になるわけではないということです。毎年、1月から2月にかけて生徒たちの受験結果が出てきます。全員が第一志望校に合格してくれればもちろん言うことはないのですが、なかなかそうはいきません。第一志望はもちろん、受験校は全部合格…という生徒もいれば、2月3日を過ぎても進学先が決まらない…という結果を突き付けられる生徒もいます。もちろん、模擬試験等で好成績を収めてきた生徒の方が、低迷してきた生徒より合格率が高いことは当然です。ただ、ほぼ合格間違いなしと思っていた生徒が残念な結果だったり、「記念受験」などと言って受けた生徒が合格したり、ということも決して珍しくないのが中学受験です。
なぜそうしたことが起こるのか?
要因は様々あるとは思いますが、私見をお話ししてみます。
難関校受験を乗り越えるために必要な力とは?
まず、受験生が難関を乗り越えるために必要な力は何でしょう?
①学力
これは言うまでもありません。入試問題で得点を上げるには、学力向上は不可欠です。
②体力
受験生は、1月中旬から2月初旬にかけて、立て続けに受験に向かいます。自宅に近い学校であればいいですが、遠い学校なら相当早起きしなければなりません。2月1日・2日などは、午後入試を受験する人もいるでしょう。想像以上に体力を使うのです。
この2点が備わればほぼ合格…なのでしょうが、さらにもう一点。
③時の運
昔は筑駒でも受験前に「抽選」があり、そこを突破しないと受験さえできないという時代もありましたが、今ではその抽選はなくなりました。
ただ、入試を終えた生徒の感想に多いのは「過去問と傾向が変わっていた」「今まであまり出てなかった図形が多かった」「急に記述問題が増えた」…等々です。よく、「現場力」などと言いますが、見方を変えれば「ついていた」のか「ついていなかった」のか、ということです。
国語で言えば、たとえば2024年度入試では1日の駒場東邦中と2日の海城中で『きみの話を聞かせてくれよ』という同じ作品のほぼ同じ部分から読解問題が出題されました。この2校を併願していた受験生は、「昨日読んだ話だ…」となったわけです。ここまで極端でないにしても、「テキストにあった文章」「模試と同じ」「自分が読んだことがあった」など、「ついてる」と思うことがあるかもしれません。
「運も実力のうち」
昔からよく言われる言葉です。
ここで書いたような「読んだことがある…」と感じるということは、裏を返せば初めてその文章に触れたときに「しっかり読んでいた」ということですね。だからこそ、気分的にもリラックスして取り組めるのです。いわゆる「ヤマが当たった」というのとはわけが違います。
6年生にとっては、ラストスパートの一ヶ月です。「もう一ヶ月しかない」と思わず、「まだ一ヶ月もある」と考えて、受験当日まで気を抜かずに乗り切ってほしいと思います。
体調にはくれぐれも気をつけて、「全力を出し切った受験だった」と言えるように頑張ってください!
皆さんの合格を心より祈っています。