暑さがすっかりとなくなり、少し肌寒い日が続いていますね。
受験まで100日を切りました。いよいよ追い込みをかけていく時期になりましたね。
さて、今年の麻布中学の大問4では、バルマー系列という光の波長に関する問題が出題されました。バルマーは数学者であり物理学者であり、今回問題で取りあげられた波長に関する公式を発見、発表しましたが、それがなぜ成立するのかが証明されたのは彼の死後のことでした。詳細は省きますが、今回の問題は与えられた条件から、9、16、25・・・と2乗に比例することを見つけ出す問題でした。麻布の過去問、対策で訓練を繰り返し、麻布らしさにどっぷりはまっていた受験生にとっては、ドキドキ、ワクワクする問題であったといえるでしょう。
光の波長や速さに関する実験の歴史は古く、紀元前にアリストテレスやユークリッドが現在の光の法則の大前提なる、光の直進、反射、屈折に関する決まりを発見しました。また、光の正体が何であるのかということは多くの科学者の間で議論が重ねられてきました。
ニュートンは実験により、光が「粒子」であると提唱しました。
ヤングはスリットを用いた光の干渉実験により、光は「波」であると提唱しました。
その後長く、光の正体はいったいどちらであるのか、という議論が重ねられてきましたが、20世紀に入り「量子力学」という分野ができたことで研究が進み、光が粒子と波の両方を持つ「光量子」であるという仮説をアインシュタインが唱え、ボーアによってこの仮説を説明する概念が提唱され、これまでの様々な問題が解決されました。このことにより、光は粒子と波の両方の性質を持つ「量子」とされるものであり、両方の性質を併せ持つものであると現在は表現されています。
さて、過去の科学者が光の速さに関する様々な実験を行い、これらのことが灘、開成、麻布、桜蔭など、御三家をはじめとする様々な学校でテーマとして取りあげられています。
例を挙げていくと、
・ ガリレオがランプを使って光が往復する速さを計測した実験 → 光の速さが速すぎるため失敗しました
・ レーマーが木星の衛星の食が、地球と木星の位置関係によりずれることを利用した実験
・ ブラッドレーによる地球の公転によって恒星の見かけ上の位置が移動することから光速を測定した実験
・ フィゾーが回転歯車を通過する光の間隔を調べることで光速を測定した実験
・ フーコーが回転する鏡で光を反射させ、光の往復時間を計測することで光速を測定した実験
・ マイケルソンが八角形の鏡を回転させ、光の往復時間を計測することで光速を測定した実験
などがあります。
知らない人にとっては初見の内容になってしまいますが、これらの内容を浅く広くで構わないので知っておくことで、みなさんが入試問題で出会ったときにはよりスムーズに問題を解き進めることができるでしょう。
これまで経験してきたことももちろんですが、これから出会うこと、経験すること、塾の先生から与えられることのすべてが入試問題につながります。
入試本番でより高い得点を取るために、1つでも2つでも多くのこと、入試で出題される可能性のあることを身につけておきましょう。
頑張れ!受験生!