こんにちは。大宮校の宮下です。
今回は、算数のアプローチについて考察してみます。

文章中の分数は割合を表していますが、数学ではこのまま分数で処理をすることがほとんどです。しかしながら算数は数学ではありません。算数はエレガントなとらえ方をすることで最短距離で答えを導くことを可能にします。
この文章をこう解釈します。
「兄の所持金が5であれば弟は3である」
さらに「姉の所持金が3であれば弟は2である」
つまり分数を分数として扱うのではなく、大きさの比較として分子分母の数をとらえるわけです。分数は比の値として利用されているぐらいですから比に置き換えることができます。
さて、弟を⑥に揃えれば、兄は⑩、姉は⑨になりますね。こうしたとらえ方で一気に答えに向かうことができるのです。
これらは分子をそろえることで、一連の流れをつかむことができます。

はじめの食塩水には,食塩が 140×0.12=16.8(グラム) 溶けている。
水を加えても食塩の量は変わらないので 16.8÷(140+100)×100=7(%)になる。
というのが一般的な解き方ですが、面白みもなく計算も面倒です。
料理の時に使うつゆは、例えば4倍に希釈して使うときに、水をつゆの3倍加えればよいですね。この水で薄める問題は、料理の時と全く同じです。
はじめ140グラムだった量を、水で240グラムにかさ増しをしました。
すると240だった濃さが140に薄まるのです。これを逆比と呼んでいます。
240→140 ということは 12→7 ですね。7%という答えを出すのに、面倒な計算を回避できるのです。これが算数の醍醐味です。数学と根本的なとらえ方が違います。直線的に解くのではなく、面の広がりを持たせることで、結果的に答えに短距離で向かうことができるのです。ゴリゴリ計算もしていないので、いわゆる計算ミスの予防にもなります。

一般的には、5,14,23,…としてはじめの5に9×999を加えるいわゆる植木算としての処理を施します。9ずつ増える等差数列ですが、同様に9ずつ増えていく数が身近にあります。9の倍数です。この問題は9の倍数にリンクさせるととても簡単になります。

並べてみれは一目瞭然で,9の倍数より4小さい数になっています。
当たり前の話ですが5余るということは4不足するということです。
この問題は、9×1000=9000 9000-4=8996 と超高速で求めることができるのです。5+9×999=8996 と比較するまでもありませんね。
考察の結論ですが、【やり方を教わって、そのやり方をし続ける】ところから発展して、【更に工夫の余地はないか、もっとエレガントな手法はないか,早く正確に解くことはできないか】という問いかけを常にしていくことができれば、筑駒・御三家・駒東に近づくことができるのではないでしょうか。