学年の初めには数の性質として、約数や倍数を学習することも多いですね。
今回は9の倍数の見分け方についての問題です。
「9の倍数ならば各位の和が9の倍数になるのはなぜですか」
18、153、4491など、各位の和が9の倍数になれば、元の数も9の倍数になるというのは、「そういうもの」として習うことが多いかもしれません。また、一応理由は習ったけど忘れてしまったという方もいるでしょう。最近の入試では、このように「当たり前」と受験生が思って覚えている公式などについて、その根拠・理由を問う問題も少なくありません。
普通はこのように考えます。
ある数の一の位、十の位、百の位、……をそれぞれ、A、B、C、……とすると、
元の数は1×A+10×B+100×C+……となります。これを変形すると元の数は

となりますね。ここで、四角で囲った部分は各位の和となり、太字&下線部分は9の倍数になります。よって、元の数が9の倍数ならば各位の和は9の倍数となるわけです。
しかし、この問題を生徒に出したときにこれとは全く違う考え方をしてくれた生徒がいたので、紹介したいと思います。彼はこう考えました。
①9の倍数とは何か?→9という数に9ずつたしたものだ。
②9という数の各位の和は当然9である。
③9をたしたときにくりあがりがなければ、各位の和は、9増える。
④9をたしたときにくりあがりがあると、本来10であるものが1と記されるので、
各位の和は9増えたあと1回のくりあがりにつき、 9減る。(くりあがりが1回
だけなら、18→27のように結局各位の和は変わらない。198→207のように2回くりあ
がると、各位の和は9減る)
⑤結果、9の倍数の各位の和は9から9ずつ増えたり減ったりするだけなので、9の倍数
となる。
いかがでしょうか。非常に面白い考え方ですね。公式などの理由や根拠を教わるだけでなく、自分なりに考えてみることも大切ですばらしいことですね。