2016という整数について
現在の小学6年生にとって,首都圏で中学受験が本格化するのは2016年です。入試のある年にまつわる問題への対策は,上位校の受験生にとって重要ですので,2016という整数についていくつか特徴を述べていきたいと思います。
2016という整数を眺めた場合,しっかりと勉強をしている受験生ならば,下3けたが016であることから8の倍数になっていること,また,2+0+1+6=9であることから,9の倍数になっていることにすぐ気づきます。また,16-2=14であることから7の倍数であることがわかる物知りの子もいるかもしれません(3けたずつで区切りを入れた奇数番地の和と偶数番地の和の差が7の倍数である数は7の倍数になります)。
実際に2016を素因数分解をしてみると,2×2×2×2×2×3×3×7となって,2を5つと3を2つと7を1つかけ合わせた数であることがわかります。素因数分解から約数の個数を求める公式にしたがうと,(5+1)×(2+1)×(1+1)=36となって,36個の約数を持つことが確かめられます。36は6を2個かけ合せてできる数(平方数・四角数)ですから,2016の約数はちょうど6×6のマス目に書き並べることができます(2015年の桜蔭中入試では9個の約数を持つ数についてその約数を3×3のマス目に並べる問題が出題されました)。
2016の約数の個数を巡っては,さらに興味深い点があります。約数を36個持つ整数の中で,最も小さいものを求めてみます。数論のよい練習になるので,受験生にも解かせておきたい問題ですが,答えは’2”0”1”6’という4つの数を並び替えた1260となります。2016…なかなかに興味深いですね。
せっかくですから,ほかにもこのような並び替えによっても約数の個数が変わらない数を探してみるのもおもしろいでしょう。たとえば24と42はともに約数の個数が8個です。2けたの整数に限ってもこのような組み合わせはいくつもあります。
また,2016の約数は36個あり,36の約数は9個あり,9の約数は3個あり,3の約数は2個あり,2の約数はやはり2個あります。ここに現れた数はすべて2016の約数です。
このように,2016はさまざまな仕方で問題を展開できる整数です。2015は素因数分解をすると5×13×31となるために約数の個数が少ない大変禁欲的な数でしたが,2016は包容力にあふれた数ということができるでしょう。
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