今年も暑い日が続いていますね。気象庁が発表する解説用語として、気温による一日の分類をさすものがあります。例をあげると、
夏日 → 最高気温が25℃以上の日
真夏日 → 最高気温が30℃以上の日
熱帯夜 → 夜間の最低気温が25℃以上のこと(ただし、気象庁の統計種目にはありません。)
などがあり、2007年4月1日からは、
猛暑日 → 最高気温が35℃以上の日
が追加されました。この猛暑日が追加された年、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で40.9℃が記録され、日本の気象官署、アメダスにおける日本の最高気温が73年ぶり(1933年山形県山形市40.8℃)に更新されました。ちなみに世界の最高気温は1921年、イラクのバスラで記録された58.8℃です。
このように暑い日を乗り越えるために、様々な方法が考え出されました。
その一つに、「緑のカーテン」「グリーンカーテン」と呼ばれているものがあり、節電ブームとなった2012年度、桜蔭中をはじめとする様々な学校の入試問題でその仕組みや理由を問われる問題が出題されました。
「緑のカーテン」とは、植物を建物の外側で生育させることにより、建物の温度上昇を抑える手法です。建物の温度上昇を抑えることにより、省エネにもつながることになります。建物の周囲をカーテン状に取り囲む植物が適していますから、つる性の植物が適していることがわかります。よく取り上げられるものには、ゴーヤ、ヘチマ、アサガオ、ヨルガオなどがあります。(すべてつる性植物ですね。)
「緑のカーテン」を利用すると、なぜ温度上昇を抑えられるのでしょう?
まず、カーテン状の植物で建物を覆うわけですから、建物内への直射日光を遮ることができます。いわゆる、普通のカーテンと同じ効果で温度上昇を抑えることができますね。
次に、植物は蒸散をしていますので、水が水蒸気になる際に気化熱を奪います。これによりまわりの気温が下がりますね。いわゆる「打ち水」と同じ効果です。
更には、これらにより建物に熱をためずにすむわけですから、建物からの熱の放出も防ぐことができます。このことから室内外へ少しずつ熱が放出され、暑くなることを防ぐことができますね。
また、「緑のカーテン」は室内の気温を下げるだけではなく、他にも様々な効果があります。室内の温度が下がればエアコンの使用量を減らすことができますから、二酸化炭素の排出量を減らすことができます。二酸化炭素の排出量を減らすことにより、地球温暖化の促進を防ぐことができます。また、コンクリートでできた壁を植物で覆うことによって、ヒートアイランドを防ぐこともできます。ヒートアイランドは緑地が減少してコンクリート面が増加することで引き起こされますので、コンクリート面を減らして緑地を増やす「緑のカーテン」はヒートアイランドの予防として大変有効であるといえます。
他にもまだまだ効果はあります。例えばゴーヤを育てればいずれできる実を食べることも・・・というのも、「緑のカーテン」の効果の一つだといえますね。
暑さを乗り切る方法はたくさんありますし、最近ではそのためのグッズもたくさん見かけます。
暑さに負けないように、ちょっとしたことでできる暑さの対策を工夫し、そこから自分の考えを広げることを大切に、この夏、たくさんたくさん学習して下さいね。