本年度の開成の算数は例年通り、4つの大問という構成で
1 (1)公約数と公倍数 (2)平面図形
2 立体図形の2回切断
3 架空の世界での時計算
4 立体図形(正八面体)と展開図
という出題(小問11問)になりました。
本年度の合格者平均点は85点満点中61.9点。受験者平均点は49.8点でした。算数においては
小問11問中8問正解がおよそのボーダーラインといえるでしょう。
これは昨年度の合格者平均点68.3点、受験者平均点53.6と比べて、全体的に難易度が上がったと言えます。また、合格者平均点と受験者平均の差が縮まったことから、難しい問題と易しい問題との差が昨年より大きかったことがわかります。
1(1)(2)および2(1),3(1)(2),4の(1)は絶対に落とせない問題と言えるでしょう。
逆に3(3)は正答率が低かった問題だと思われます。
勝負を分けたのは残りの4問。これはすべて図形の問題でした。
2(2)の直方体を2回切断した後の体積の計算。
これは立体図形感覚とていねいな計算が必要な問題でした。
4(2)で正八面体の構成のルールについての理由説明記述が出題されました。
(3)(4)は正八面体の各面を多角的にイメージする力が問われる問題となりました。
このうち2問以上正解できたかどうかが合否を分けたと考えられます。
開成の図形の問題では以下の点が重要になります。
①正確な解法とその理由を理解しておくこと。
②的確なイメージをもち、それを作図あるいは言葉で正しく表現できること
③確実な計算力と検証力
ただし、出題そのものは奇をてらったものではなく、典型的な問題に習熟していれば十分対応が
可能な問題です。普段の学習においては、ただ正解するだけでなく、「なぜこの解法で正解できるのか」
「他の視点から新たな解法を考えることはできないか」などを常に考える姿勢が必要となるでしょう。