算数よもやまばなし

2017/6/12

エクタス算数科


小2で覚える「かけ算九九」ですが、今から1200年~1300年ほど前の奈良時代以前に「かけ算九九」が使われていた記録が残っています。特産物や地名の由来を諸国から集めた『風土記』と同時代に、様々な階級の歌を過去に遡って集めて編纂した『万葉集』の中に見られます。


まだ、ひらがなもカタカナもなかった時代に、かけ算を楽しんでいたようです。


『万葉集』およそ4500首の中から戯訓として使われれているものは、


907首 「二二」と書いて「し」


946首 「奈重二」と書いて「なし」


2710首 「二五」と書いて「とを」


239首・379首・926首・1804首・3278

     「十六」と書いて「しし」()(鹿)()


789首  「情八十一」と書いて「こころぐく」(心ぐく)


1495首 「八十一」と書いて「くく」 (潜く)


3330首 「八十一里」と書いて「くくり」(括り)


2542首 「二八十一」と書いて「にくく」(憎く)


3242首 「八十一隣」と書いて「くくり」


196首 「三五月之」と書いて「もちづきの」

     これは望月=十五夜からきています。


算数でおなじみの特殊算。つるかめ算は「求差分和門」として今から300年くらい前の「算学啓蒙諺解大成」という書物に載っています。もともとは中国の「算学啓蒙」という数学書を翻訳したもの。当時はつるかめ算ではなく「二率分身」と呼ばれていたそうです。


掲載されている問題は「今有鶏兎一百、共足二百七十二隻。只云鶏足二兎足四。問鶏兎各幾何。」


現代文にすると「今、にわとりとうさぎが合わせて100羽いて、足の合計が272本です。にわとりは足が2本でうさぎは足が4本です。それぞれ何羽いますか。」


なんと問題の次のページに面積図を用いて解説しています。


しかも全部うさぎだったときの面積図と全部にわとりだったときの面積図が上下に並べてあり、通りの解説をしているのです。


ちなみに、生類憐みの令で有名な江戸幕府第五代将軍徳川綱吉のころの出版です。


呼び名はつるとかめが縁起が良いということで後に変化したのでしょう。

関連記事related posts

エクタス算数科

【算数のテストの受け方】

前回のブログでは算数の学習法に関して取り上げました。ですが、やはり最終的にはテストで点数をとりたい!という願いに行き着くと思いますので、今回は「算数のテストの受け方」について書いてみます。あくまでも算数に関して、教科が異…

エクタス算数科

連続する整数による和分解

問題です。 1から100までの整数のうち、1以上の連続する整数の和で表すことができる整数について考えます。たとえば、3=1+2、6=1+2+3、33=10+11+12のように、3、6、33は連続する整数の和で表すことがで…

エクタス算数科

「続・続・続・続・算数よもやまばなし」

今回は、見た目のきれいな計算を紹介します。 11×11=121 111×111=12321 1111×1111=1234321 11111×11111=123454321 111111×111111=1234565432…

新着記事latest posts

2025/4/21

お知らせピックアップ

渋谷教育学園幕張中 学校説明会 5/30開催!

Z会主催 エクタス協賛渋谷教育学園幕張中学校 学校説明会のご案内【参加無料】 5/30(金)に渋谷教育学園幕張中学校の学校説明会を開催いたします。同校は自調自考をモットーに生徒の成長を促し、海外大学も含め全国でも屈指の進…

お知らせピックアップ

2025/4/10

エクタス国語科より

『記述問題は後ろから考えよう』

学校でも新学年を迎え、入学式・始業式と行事が多かったことと思います。学校生活がようやく落ち着いたころにはすぐGW…でも、受験生にとっては「遊ぶ期間」ではなく「勉強漬けになる期間」かもしれませんね。 今年の開成中学の国語は…

エクタス国語科より

2025/4/9

お知らせピックアップ

小6「筑駒・御三家・駒東 最難関スーパー講座」【2025年度前期】申込受付中!

講座は土曜日午前を中心に設定、1科目から受講が可能です。受講生には担当講師のナビゲートにより個別カリキュラムを提案。 毎年筑駒・御三家・駒東中合格者を輩出するエクタスの看板講座。最難関校の入試傾向に直結する教科別講座を今…

お知らせピックアップ

pagetop