永田町の国会議事堂の右手参議院側にある国立国会図書館は、国会法第130条の「議員の調査研究に資するため、国立国会図書館法により、国会に国立国会図書館を置く」の規定にもとづき、昭和23年(1948年)に設立されました。その国立国会図書館法の第2条には「図書及びその他の図書館資料を蒐集し、国会議員の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、この法律に規定する図書館奉仕を提供する」とありますから、だれでも利用することができます。
ジュニアにおすすめなのは、【国立国会図書館キッズページ】(http://www.kodomo.go.jp/kids/index.html)です。
こちらのサイトには、「国会図書館を知ろう」「国際子ども図書館を知ろう」「図書館ってなんだろう?」「しらべてみよう!」「図書館じてん」などがあり、「よんでみる?」ページではお勧めの図書の紹介などがあります。
一度訪れてみるとよいでしょう。
その国立国会図書館では、所蔵資料のデジタル化を進めており、【国立国会図書館デジタルコレクション】というサイトで閲覧することができます。
※ちなみに前回の「算学啓蒙諺解大成」も国立国会図書館にありますが、デジタルの一般公開はされていないため、東京理大学近代科学資料館・お茶の水女子大学図書館などでデジタル図書として閲覧することができます。
さて、その国立国会図書館のデジタルライブラリーの中に1775年(安永4年)刊行の『算法少女』という和算書があります。その前年の安永3年に杉田玄白・前野良沢の『解体新書』が刊行されている時代背景です。この『算法少女』は町医者であった父が娘のために書いた算数の問題集で、30問をていねいに解説しています。
ちくま学芸文庫に『算法少女』という遠藤寛子著の小説があります。これは前出の『算法少女』の史実に基づきながら創作した児童文学で、1974年に『算法少女』(岩崎書店)でサンケイ児童出版文化賞を受賞しています。
小学生が楽しく読める内容になっていますが、算数の問題や解説は出てこないので、問題を見たいときは、ちくま学芸文庫の『和算書「算法少女」を読む』という小寺裕著の中で、現在の数式の表記で解説していますので、こちらが良いと思いますが、どちらかというと算数・数学の先生向けの本になっています。