早いもので、2020年の中学入試が始まっています。すでに「合格」の二文字を手にした受験生も少なくないでしょうが、あと二週間でいよいよ筑駒・御三家を筆頭に東京・神奈川の受験の入試本番です。すべての受験生がこれまでの努力の集大成として、力を出し切ってほしいと切に願います。そんな時期ですので、今回は1月から2月1週目にかけての受験生の過ごし方についてお話ししようと思います。
まず、何よりも大切なのは体調管理です。インフルエンザが例年より早く流行の兆し…とのニュースもありましたが、冬場は気温が低い上、空気も乾燥しやすいので、風邪が流行る条件がそろっています。そんな病気に対しての大敵は睡眠・栄養の不足です。「寝る間を惜しんでも勉強したい」「食事の時間も削って勉強したい」等と理由をつけてインフルエンザになって1週間寝込んでしまう、では本末転倒ですね。生活スタイルも朝型に切り替えなくてはなりません。「早寝早起き」を意識して、食事はしっかり食べる。うがい、手洗いや、人ごみの中に行くときはマスクを着用するといった予防策をとりましょう。
つぎに、大事なのは精神面でのコントロールです。日一日と第一志望校の入試当日が近づくにつれ、様々な不安がよぎってしまうのは、どの受験生も同じです。すでに受験をした人はわかると思いますが、模擬試験とは雰囲気がまるで違います。その場の空気にのまれてしまうことなく、今まで頑張ってきた自分の努力を思い起こしましょう。
「これだけ頑張ってきたのだから、絶対に結果が出せるはず」
自信を持って臨めるかどうか、特に中学入試においては受験が始まるところでの気の持ちようで半分は決まってしまう、と言っても過言ではありません。
ところで、勉強面においてはどのような意識が必要でしょうか。
まさか、この期に及んで新しい問題集を買おうなどと思う受験生はいないと思いますが、変に難しそうな問題をこの時期にやるのは逆効果です。むしろ、2学期以降に解いてきた過去問や各種テストをもう一度引っ張り出してきて、自分が間違えた漢字や知識の見直しをしておきましょう。直前に見直すことで、冷静に自分の弱点を補えるだけでなく、本番の入試で1問でも同じ問題が出れば精神的にも相当余裕ができます。
また、自分の第1志望校はもちろん、併願する各校の出題傾向を再度確認しておきましょう。
・文章量はどのくらいか
・設問数はどのくらいか
・漢字は何問出ているか
・記述量はどの程度か
・制限時間は何分か
ざっと、頭に入れておくことで、試験当日あわてることもなくなるでしょう。
最後に、試験当日の手順です。
当日は、会場に入ったらまずトイレの場所を確認し、試験前にかならず用を足しておきましょう。
学校の授業中とはわけが違って、「トイレに行かせてください」と試験中に言うことは基本的にできません。(不正行為防止のため)つまり、試験中に席を立つ=受験はその段階で終了、と思わなくてはいけません。ですから、あまり出そうもない・・と思ったとしても、事前に済ませておくべきです。
いざ、試験が始まったら…
「難は安心・易は用心」
このことばを意識してください。難問は誰にとっても難しいもの。それを見て焦ってしまうようでは、自滅するようなものです。「これは難しいから後回し」くらいの気持ちで、解きやすそうなものから1問でも多く解く、という気持ちで取り組みましょう。
逆に、一見易しいと感じたものこそ、要注意。上記同様、易しいものは誰にでも易しいはず。ここで落とすのは命とりです。答え方や設問の意図をしっかり考えて取り組みましょう。以前も書きましたが、過去には開成中学でもひらがなやカタカナを書かせる出題がありました。桜蔭中学ではごく基本的な敬語を答えさせる出題もありました。筑駒でも、ことわざや詩の一節を簡単な漢字に直す問題がよく出題されます。こうした取るべき問題をしっかり取れる人が合格出来る人なのです。
そして、1教科目が終わったら2教科目、そして次・・と、終わったことをくよくよ振り返らず、前向きに次に向かいましょう。2/1が終われば2/2、そして2/3・・という風に。この割り切りができるかどうかも、結果を左右する一因となります。
エクタスの講師は、来春皆さんの笑顔が見られるよう、全員が残る期間全力で授業に取り組みます。「あと○○日しかない」ではなく、「まだ○○日もある」と意識を変えて、残された期間も全力を出し切ってください。2月に、皆さんと笑顔で会える日を楽しみにしています。
2020年中学入試 受験生の心構え
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