いきなりですが、問題です。
「円周率」とは何ですか?
中学受験を目指して学習している以上、それなりの回数円周率を使ってきたと思います。
3.1415926535…と無限に続いていて(日本人で10万けたも覚えている人もいるそうです!!)、通常は3.14と用いることが多いです。
ですが、その意味をきちんと説明できていますか?
どんなに難しい問題の解き方を知っていても、その根っこの部分が不安定ではいけません。そのため、このような基本原理を確認するような問題が最近目立って出題されています。
冒頭の円周率の説明は、2021年度の浅野中の入試で実際に出題されました。実際の入試では、その後さらに、円に内接する正六角形を用いて「円周率が3より大きいことを説明しなさい」と続いていました。いまでこそ円周率はコンピュータで計算しますが、昔はこのような正多角形を用いて近似計算をしていたことが有名です(是非この後で自分で調べてみましょう)。
そして、この浅野中の問題ですが、元をたどると2003年の東大の入試問題に行き当たります。
その年に「円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ」…というわずか一文の問題が東大で出題され非常に話題となりました。数学の知識はもちろん必要ですが、実は中学生でも解ける問題レベルです。
また、東大の入試では1999年に「三角関数の定義と加法定理の証明」という、教科書に載っている基本事項の証明を出題して話題になっています。先ほどの円周率同様に、受験生が当たり前として使っている根本原理を問う良問です。また、名古屋大学では受験生に数学の公式を配って試験を行うことで有名です(公式を知っているぐらいで有利にはならない…というメッセージです)。
過去問や教材を通して、入試問題を経験し、出題される問題の傾向を理解しその対策をする…だけではなく、大事なことから目を背けずに、楽しみながら学習する。どの学年でも忘れずにいて欲しいと思います。私も、いつも授業で言っていますが「設問の答えは何ですか?」よりも「その問題を通してどんなことに気づき、学びましたか?」を重視して取り組みましょう!
最後に、冒頭の円周率の説明を記しておきます。円周率は円周の長さが直径の長さの何倍か、という比を表しています。3より大きいことの説明は是非是非自分で考えてみましょう!