中学受験を目指す受験生にとって、「天王山」とも言われる夏休みも目前に迫りました。1学期までに学習してきた成果を確実にものにできるか、曖昧なまま終わらせるか…やはり重要な時期と言わざるを得ません。
夏休みが重要だと言われる大きな理由は「時間」です。いくら普段の学習を多くしようと思っても、学校はある、習い事はある…で、そんなにまとまった時間は取れません。でも、夏休みは何と言っても学校に行く時間がないわけで、まとまった時間を取ることができます。もちろん、プールや登校日もあるでしょうが、通常から見れば微々たるものです。
ただ、「時間があり余るほどある」時にかぎって時間を「無駄に」してしまう人も多いのではないでしょうか。
昔から、「今日できることを明日に延ばすな」などと言われます。これは、人間の本質を突いた言葉だと思います。「別に、無理に今日中に終わらせなくたって明日もあるじゃない」という発想です。「ちびまるこちゃん」の作者でもあるさくらももこさんは、著書の中で「小学生時代に8月30日まで夏休みの宿題をやったことがない」などと書かれています。
通常授業で宿題を忘れた生徒の「言い訳」で何といっても多いのは「時間がありませんでした…」です。でも、この日本語はおかしいと気づきますか?時間が無くなるはずはありませんよね。本人は「宿題をやる時間が取れなかった」と言いたいのでしょうが、そのまま言うと叱られると思い、「時間がなかった…」となるのでしょう。
今から50年近く前、当時はパソコンもなく書類を作成するときは「代書屋」という職業が成り立っていたころ、書類の内容と枚数により「原稿を○○日までにお持ちください」と断っていたそうですが、ある人が期限を過ぎてしまい「忙しくて遅くなってしまいましたがよろしくお願いします。」と依頼しようとしたところ、代書屋は「忙しかったって、寝る時間も食事する時間もなかったってことですか?○○日までに仕上げるには私が徹夜しなくてはなりませんがね…」と言われたそうです。まさに時間がない、というのはそういうことですね。
「時は金なり」とも昔から言われています。本当の意味で、万人に平等に与えられているのが「時間」ではないでしょうか。どんなに金持ちでも、1日25時間にしてもらうことはできません。この夏休み、是非とも時間を効率的に、計画的に使ってほしいと思います。