入試でよく出る統計データ③　県内人口第1位・第2位の都市

全国の47都道府県のうち，県庁所在地よりも人口が多い市があるのは5県だけで，それ以外の42の県では，各県庁所在地の人口が県内第1位となっています。

この「県庁所在地よりも人口が多い市がある5県」は中学入試においても頻出なので，次の表でしっかり確認しましょう。

人口1位の都市が県庁所在地ではないのは，福島県・群馬県・静岡県・三重県・山口県の5つです。

福島県の場合は，県庁所在地の福島市は県内で人口3位（289,007人）となっています。

もう一つ，表のいちばん右側の数値に注目してください。

この数値は，各県の人口のうち，人口1位の都市に住む割合がどのくらいかを示したものです。つまり，北海道の総人口のうち，札幌市に住んでいる人が37.2％にのぼるということです。

ここから，各県の中で1位の都市（そのほとんどが県庁所在地）へどのくらい人口が集中しているのか，いわば「人口集中度」が分かります。東京23区は（その規模や首都という性格から）特殊な例なので別として，京都府のように人口の過半数が人口1位の都市に集まっているところもあれば，茨城県のように人口1位の水戸市に住む割合は10％に満たない県もあります。

このような差が生まれる要因はさまざまですが，1位の都市と2位の都市の人口を比較すると，いわば「1位の都市が一人勝ち」状態の県では人口集中度が高い傾向にあり，「1位と2位の差が小さい」状態の県では人口集中度もさほど高くないといえます。

たとえば，水戸市は茨城県の県庁所在地ですが，つくばエクスプレスの開業によって東京都心へのアクセスが良くなったつくば市周辺の人口が急速に増加しています（2045年までには，この2市の人口は逆転するという予想もあります）。

あるいは，さいたま市や千葉市はいずれも東京都市圏にふくまれ多くの人口をかかえる都市ですが，より都心に近い川口市や船橋市も人口が増加しているため，集中度はさほど高くありません。

今後，日本の人口減少が進んで行く中で，こうした人口集中はいっそう加速していくと考えられています。

受験生の皆さんが大人になる頃に，上の表はどこまで様変わりしているのか想像してみると，良い勉強になるのではないでしょうか。