先日の台風19号の上陸で各地に大きな被害が出ました。
被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今回巨大な台風になったのはなぜでしょうか。
台風の発達について考えてみましょう。
海水温が26.5℃以上になると、海面からの蒸発が盛んになり、上昇気流ができます。
上昇した水蒸気は、上空で冷やされて水になり、このときに周りに多くの熱を放出するのです。
台所で水を沸騰させるときをイメージしてみてください。
「 水 + 熱 → 水蒸気 」といった変化が起きています。
ところが、前述の上空では、逆のことが起きますから、
「 水蒸気 → 水 + 熱 」となり、周りに熱を放出するのです。
周りに多くの熱を放出するとさらに蒸発が盛んに起き、これが繰り返されていくと中心の気圧がどんどん下がります。
この現象を私たちは「台風が発達する」と表現しています。
台風19号の接近時は、日本近海の太平洋の水温が平年より高く約27℃だったので、台風が力を弱めるどころか、発達しながら日本に上陸してしまいました。
台風をこの世から無くしてしまえばよいと考える方もいるかもしれません。
ではもし本当に台風を発生させなくすると、どのようなことが起こるでしょうか?
今回はそのうちの1つだけ紹介します。
台風はいってみれば熱のかたまりですが、例えば北半球では赤道付近から北(極地)へ、熱を移動させる役割を担っています。
ですから、台風がこの世からなくなると、赤道付近の温度が今までよりも高温になり、また、極地の温度が低温になります。
ということは、人が生活できる温度の陸地が減ってしまうということで、これは大変なことですね。
台風の発達の原理から考えてみれば、海水温の上昇を抑えれば勢力の強い台風は発生しにくいということになります。
海水温の上昇は、地球温暖化の1つの結果ですので、二酸化炭素を出さない電気自動車を利用したり、私たちは工夫次第で地球を守ることができます。
これ以外にも何ができるかを考えて、将来のために行動したいものです。