夏休み前のブログではテストの受け方について取り上げました。秋も本番になると模擬試験を受験する機会も増えてきますので、引き続き算数のテストの受け方について書いてみます。
前回のブログでは「悪い点を取らない」ことについて書きました。今回は時間配分と問題の解く順番について取り上げてみます。
入試風景の動画などでは、試験開始の合図と同時に勢いよく鉛筆を動かして問題を解く場面が流されたりしますが、ちょっとおかしいと感じる部分です。テストでは最初にすべきことがあるからです。
それは、ざっと問題を全部見ることです(ちなみに過去問をやり込むことでその学校の大体の構成は頭に入るので、わかった上でひとまず大問1に手を出すことはOKです)。そして、問題は遠慮無く飛ばすことが重要です。勘違いして欲しくないのは、飛ばすことは捨てることとは異なり、後でまた取り組む可能性があることです。
問題を読んだときの感想・印象で算数の問題をいくつかに分けてみましょう。
A:すぐにできそうだ。
B:できそうだけど時間がかかりそうだ。
C:できるかできないかやってみないとよくわからない。
D:これは無理だ。意味がわからない。
皆さんはどの問題を飛ばしますか?? 実際に授業等で観察していると、ABCは取り組み、Dを飛ばすケースが多く見られますが、これはイマイチです。
BCDを飛ばす、もっと言えばDはこのテストでは触らない、が正解です。
飛ばす…というと負けを認めるように感じるのか、まずはやってみないと…という意見がありますが、今やらず後にやろう!と言うだけのことです。
例えば、桜蔭の最初の計算問題などはBになることが多いです。面倒でもやれば確実にできる問題なので、ここから逃げているようでは問題外ですが、必ずしも最初にやる必要もないのです。
また、筑駒の入試問題は大問4つで40分です。正直1問10分では時間は足りないことが多い問題が並びます。それでも(1)や(2)は比較的取り組みやすいので、まずは大問を選びながらそこまでを取り組み(20分くらいでしょうか)、(3)に行けそうなものを改めて2つほどを目安に解いて行く…という感じになります。これで合格点に届くのですが、もちろんミスがあれば合格の可能性が下がります。そのため1問でも多く解こう…というのは誤りだと前回の記事で書いています。ミスをしたら合格の可能性が下がるのは当たり前で、そこは受け止めて別途ミスを減らす対策をしなくてはならないのです。
筑駒は40分という時間制限の厳しさもあって比較的このような取り組みが認知されているようですが、例えば試験時間が60分の開成でも考え方は変わりません。その年の問題の中で一番難しい問題は最初から捨てるつもりで行くと、落ち着いて時間を使うことができるはずです。そのためにも、普段の練習では途中でタイマーを確認しながら、例えば60分を40+20のように分割して役割を区別して取り組むこともお勧めです。入試当日だけ実行することはできませんので、日頃の練習から意識して、考えて、行動して欲しいです。
次回はミスを減らす方法について書いてみます。がんばれ受験生!
【続・算数のテストの受け方】
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