算数の記述問題

2021/1/21

エクタス算数科

昨今の算数の入試問題では、計算をして答えを数字で答えるだけではなく、ある事柄について理由を説明する記述問題が出題されることが増えてきています。1問、例題を解いてみましょう。

【問題】
1円玉、10円玉、100円玉、1000札を合せて60枚使ってちょうど10000円を支払うことはできますか。できる場合はその例を、また、できない場合はその理由を説明しなさい。

いかがでしょうか。一見できそうです。枚数に決まりがなければ、どんな場合に10000円を支払うことができるでしょうか。例えば1円玉10枚、10円玉9枚、100円玉9枚、1000円札9枚の計37枚なら10000円になりますよね。あとはここから、うまく両替すれば……。とここで、できないのではないか?と気づくことが大切です。この状態から例えば100円玉1枚を10円玉10枚に両替すると、合計の枚数は9枚増えますね。すると両替によって増える枚数は9の倍数になるはずです。しかし、37にいくら9の倍数をたしても60枚にはなりませんよね。よってできないということはわかるでしょう。

さて問題はこれをどう記述するかということです。さきほどの状態をうまく文章にしても得点はもらえるでしょうが、ここではさらにポイントとなる考え方をお教えしようと思います。それは、「余りに注目する」ということです。さきほど9の倍数がカギになることに気づくことができました。ここで、1、10、100、1000、10000という数字を見てみると、これらはすべて9で割った余りが1であるということに気づきます。つまり、この問題は、
「9で割って1あまる数を60個たして、9で割って1余る数を作れるか」という問題だったのです。9で割って1あまる数を60個たすと、1×60÷9=6余り6ですから、9で割って1余る数にはなりません。正解例としてはこのような文章になるでしょう。

【答え】
1、10、100、1000はすべて9で割ると余りが1の数であるから、60枚すべての合計を9で割ると60÷9=6余り6となる。しかし10000は9でわると1あまるので、いかなる組合せでも、合計を10000にすることはできない。

このように余りに注目して理由を記述させる問題は出題頻度も比較的高いので、このような発想は覚えておくとよいでしょう。

関連記事related posts

エクタス算数科

河童先生の算数問題に挑戦! 7

第6回の問題は解けたかな?   【解答】 1番目の式と、4番目の式とをみてみましょう。 両方とも□が答えになっている、かけ算の式ですね。 かけ算でかける数に1があると、答えがもう片方のかける数とおなじになってし…

エクタス算数科開成中

2015 開成入試 算数 講評

 【総評】 〇合格者平均61.1 受験者平均49.9 毎年開成の算数ではこの平均値が15点近く離れること を考えると、差がつきにくい入試問題であった。 〇問題構成は例年通りの大問4題。それぞれの大問において、難…

エクタス算数科

大学入試問題に挑戦

  「a<bとする。正の整数の組(a,b)で,a以上b以下の整数の総和が500となるものをすべて求めよ。」(大阪大)   これはれっきとした大学の入試問題です。しかし,算数をしっかり学習していればこの…

新着記事latest posts

2025/3/14

ジュニアブログ

小1の学習とは? ~保護者セミナーでよくある質問集2~

エクタスでは2月より『新小1プレスクール』として,4月開講に先立ち授業体験会を行っています。 2025年は3/27(木)~4/5(土)の春期講習期間中も『新小1コース春期特別体験会』として実施いたします。 ※上記全部の日…

ジュニアブログ

2025/3/13

お知らせ

【新小2・3】5月 試行(思考)力・記述力 診断テスト 申込受付中

低学年の現段階で求められる力を診断 筑駒・御三家・駒東中を目指す上で必要となる、与えられた未知の課題を試行錯誤して正解を導き出す「試行力」、考えた答えを書き言葉で表現するための「記述力」。最難関中学受験専門塾だから可能な…

お知らせ

2025/3/6

お知らせピックアップ

合格体験記2025

筑駒・御三家・駒東中合格を飾ったエクタス生の体験記をご紹介します。

お知らせピックアップ

pagetop