真実はいつも1つ?

2019/6/10

エクタス算数科

 みなさんは、『おばけ煙突』を知っていますか?


 かつて東京都足立区にあった、火力発電所(千住火力発電所)の煙突のことで、近隣の住民からそう呼ばれていました。ちょっと昔の話になりますので、おじいさんやおばあさん世代だとご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。そもそも隅田川沿いに火力発電所があったことが驚きですが、このあたりの詳細に関しては是非自分たちで調べてみて下さい。


 その煙突ですが、全部で4本あり上から見るとひし形に配置されていました。そのため、見る角度(方角)によっては、4本すべてが見える場合もあれば、1本しか見えない(お互いに重なってしまう)こともありました。2本や3本に見える見え方は解りますか?考えてみましょう。


 真実はいつも1つ!と眼鏡をかけた少年がかっこよく言い切りそうですが、見方によって、答えはひとつとは限らない(観察者によって真実が異なる)、という実例でもあります。


 


 さて、ここからが本題です。


 立体図形を紙に図として表す際には、いろいろと問題点があります(立体は3次元ですが紙面は2次元ですのでそこに起因します)。その図法としては見取り図が一般的ではありますが、他には展開図や投影図もあり、その都度条件や必要とするものにより使い分けをしています。実際に地球という球形を平面上で表した地図は、利用目的によりさまざまな図法が存在しています(せっかくですのでこれも自分で調べてみましょう)。


 今回はその内のひとつ、投影図についての問題です。


 まずは基本問題ですが、上から見たら円に見えて、正面や横から見たら三角形に見える形は何でしょうか。これくらいなら即答です…よね。答えは円すいです。


 では、上から見たら円に見えて、正面からは三角形に見えて、横からは長方形に見える形は何でしょうか。考えてみましょう。形としての名称があるわけではないので中学入試で直接出題される可能性は少ないでしょうが、それでもこういう経験が算数の底力を育ててくれるはずです。見取り図を作図し、算数の先生に判定をしてもらってください。チャレンジを待っています。ちなみに、ご家庭によってはほぼ同じ形のものがキッチン周りにあるかもしれませんよ。



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