中学受験算数で最も多い計算の1つに(2けた)×(2けた)の計算があります。そして、この程度の計算であれば筆算をするのが面倒で、暗算をする人も多いことでしょう。だからこそ計算まちがいが多くなりがちなのも、この(2けた)×(2けた)のかけ算であるとも言えます。さて、みなさんは、この計算をどのように暗算していますか。
例えば、37×89という計算を考えてみましょう。
このように暗算をする方もいるのではないでしょうか。
[パターン1 筆算そのまま型]
①9×7=63、6くりあがって、9×3=27だから、333
②8×7=56、5くりあがって、8×3=24だから、296 10倍して2960
333と2960をたして、3293
これは、通常習う筆算をそのまま頭の中でやる計算であると言えます。
もっと工夫できるよという方もいるでしょう。
[パターン2 工夫をする型]
37という数は3という数とセットにしておくと良いですよね。それは、37×3=111というきれいな数になるからです。このことと、89=90-1 ということを利用すると、
37×3×30-37×1と考えて3330-37だから3293
たしかに工夫しているのですが、これ簡単になっているか?という疑問も残ります。また、それぞれの数でそれぞれの工夫を考えるのは大変ですし、工夫できない場合もあるでしょう。そこで、このような方法はいかがでしょうか。
[パターン3 展開計算型]
①十の位どうしの積と、一の位どうしの積を並べた4けたの数を書く。
3×8=24、7×9=63なので、2463
②一方の数の十の位ともう片方の数の一の位をかけ、一方の数の一のくらいの数ともう片方の十の位の数をかけ、それらの積をたして10倍する
3×9+8×7=83 83×10=830
③2463と830をたすと、3293
いかがでしょうか?比較的楽に計算できるのではないでしょうか?なぜこのような計算でうまくいくかは、中学に入ってから「展開」という単元で習うことになります。検算などにも役に立ちますから、覚えておくとよいと思います。