【総評】
〇合格ボーダーは14問中9~10問正解。
〇問題構成は概ね例年通りだが,I(2)の数の性質とIIの規則性が理解に時間のかかりがちな問題であったため,ここで調子を崩すとIII以降で得点を重ねるのが困難になる。
〇最終問題(V)は速さの問題であったが,全問正解すべき問題であった。冷静さを保った状態で確実に得点することが求められた。
【細評】
I(1) 計算問題 小問2問
四則計算と□を求める計算が一題ずつ。確実に得点すべき問題。
I(2) 数の性質 小問2問
約数の個数と素因数分解に関する問題。素因数分解から約数の個数を求めるという基礎を利用する手腕が問われる。とは言え,②は回避すべき難問であり,①だけなら与えられている例から予測を立てて手早く解くことも可能。
II 規則性 小問2問
正三角形を組み合わせていく問題。正三角形の1辺の長さが,フィボナッチ数列の変形版の規則に従っていることに,すばやく気付けるか否かが問われるが、作業量が非常に多く計算も複雑なため、回避しても良い問題と思われる。
III 不定方程式 小問2問
不定方程式の問題は桜蔭で頻出であり,今回は難易度の点からも確実に得点しておきたい。(2)については個数が一定値を超えると値段が変化するので,その点のみ注意が必要。
IV 表面積・並べ方 小問3問
大きさの異なる円柱を積み重ねて表面積を調べる問題。(1)はごく易しい。(2)も得点しておきたいが,短時間で正確に得点するのはやや難しい。(3)は表面積を変えずに円柱を並べる方法を書き出す問題で,難易度の点からも合否を分ける問題になった可能性が高い。
V 速さ 小問3問
一見複雑そうであるが,基本的には2人の旅人算に帰着するので,シンプルに解くことができる。(1)(2)の答えを使わずに(3)を求めることも可能であり,全問外すことは許されない。