今回は2023年度入試の中から筑駒の大問2について取り上げてみます。

図の様に、階段状にマスが書かれていて、上の段2つの差を下の段に書く規則が問題文に示されています(3段の場合と4段の場合があることになっています)。マスの中には0から9までの1けたの数を書きます。
例えば、4段の一番上に2023と書かれていれば、上から2段目は221、上から3段目は01、一番下の段は1になることがわかります。
設問では、一番下の段がわかっていて、そこから順に上にさかのぼって行くことが必要になります。また最上段の左はしには0が入らないように指定されています。
(1)は、3段の図において下2段が既に書かれている状態で、一番上の段を求める問題です。差がわかっていても、どちらが大きいかを考慮すると答えが2通りあることに気づかせる問題です。
(2)は3段の図において一番下が9のときの、一番上の段を求める問題です。差が9になる場合は(0と9)のみと限定されているため比較的スムーズに書き出せます。
(3)は3段の図において一番下が8のときの、一番上の段を求める問題です。差が8になる場合は(0と8)(1と9)の2種類考えられますが、たったこれだけの差で解答数は一気に増えていきます。
(4)は4段の図において一番下が8のときの、一番上の段を求める問題です。(3)の続きで考える受験生が多かったと思います。ただし、(3)では一番上の段の左に0があるものは対象外ですが、(4)ではその0は最上段ではないため、それも考えて数えないといけません。
さて、この問題ですが、いわゆる塾で習う知識は一切必要ありません。小学校低学年でも考えることが十分できますし、時間はかかるかもしれませんがすべて正解できる子どもたちもそれなりにいると思います。一方で、入試当日の結果としてはおそらくはそれなりに差がついたとも予想されます。「どういう解き方をすると正解がでるのか」を他人から教わり、それを効率良くなぞってきた学習では正解しにくい問題です。自分の手を動かし数え、頭を使い、仮に答えがずれてしまった場合はその原因と対策を自分で考える…そういった地道な努力を重ねてきたかどうかが問われます。もちろん正しい努力を行ってきた受験生の中にも、当日数え間違えてしまった人もいるかもしれませんが、それは別の話なのです。
点数が欲しい、○が欲しい、という気持ちは良く解りますが、それこそ学問に近道はないのです。自分で頭を使って考え、手を動かして調べ、また考え、人からアドバイスをもらったらまた考え、また手を動かす…このくり返しでしか最上位には届きません。
正しい学習で合格をつかみましょう!