今回は2023年度入試の中から開成中の算数の結果について考えてみます。
ここ数年の開成中の受験者平均点と合格者平均点を並べてみると次のようになります。
年度 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 |
受験者平均 | 51.4 | 50.7 | 45.8 | 38.6 | 51.0 | 62.0 |
合格者平均 | 70.9 | 60.7 | 55.8 | 49.5 | 64.6 | 73.9 |
差異 | 19.5 | 10.0 | 10.0 | 10.9 | 13.6 | 11.9 |
尚、ご存じの方も多いとは思いますが、算数の満点は85点です。
特徴を挙げておくと…
①年度による平均点の差異が大きい
②その割に受験者平均点と合格者平均点の差は大きく変化しない(12点程度で推移)
といった点に思い当たります。
①に関しては、おそらく作問を担当する先生の個性が強く反映される体制なのでは、と予想できます。こういった風潮は問題の表現や構成にも見ることができ、過去問キラーなどと言われる一因にもなっています。
②に関してですが、2018年度はここ数年の中で最も平均点が高い入試、2020年度はここ数年の中で最も平均点が低い入試でしたが、受験生全体の差異はきちんとついており見事としか言えません。
ところが、2023年度入試はちょっと違った結果となっています。
試験としてのレベル自体は例年と大きく変わった印象はなく、実際に受験者平均点は標準的なレベルでした。一方で合格者平均点は極めて高く2018年度に迫る勢いでした。結果として受験者平均点との差も20点近くあり大きく差がついた入試となりました。
この原因は問題の構成にあったようです。それなりに難しい問題もありましたが、上位生、特に筑駒との併願を考えている受験生にとっては訓練を重ねてきた問題と同じ様なタイプの傾向だったと言えます。つまりどんなに難しい問題でも準備をしていると結果が出るということです。2024年度の入試問題がどうなるかはまだわからないですが、過去の問題をただ解くだけでなく、志望校の求める算数の力を身につける意識は忘れてはいけないと思います。
これからの時期過去問を解いていく回数が増えていくかとは思いますが、算数の場合は志望順位に関わらず、難度の低い(より基本的な)内容の学校から確実に積み上げ、最終的に余裕が出たら志望校と同レベル同傾向の問題が出題される学校の問題に取り組む様にしたいですね。まだ4ヶ月ありますが、無駄な時間はありません。後悔のない日々を過ごしましょう。