大問1[いもづる算・場合の数]
(1)は典型的な調べて解く問題。こちらの正答率はかなり高いと想定されます。
(2)は初見の生徒には難しく感じてしまう問題であったかも知れません。
大問2[速さとダイヤグラム]
(1)は単純なダイヤグラムの読み取りでした。グラフの折れ曲がった部分をいかに読み取るかが問われています。反面、(2)は鋭い洞察力を求められる問題でした。グラフの中から、いかに「真一君と和子さん」の速さの比を求めるのかが重要です。煩雑な計算が問われているわけでは無いので、「気づけるかどうか」で勝敗が分かれました。
大問3[条件整理・推理・場合の数]
最近のテレビ番組で話題となったゲームをモチーフにした問題。推理力と条件整理力、何より問題文読解能力が試されます。合格者のほとんどはここで手堅く得点をしていることでしょう。反面、読みきれなかった生徒は合否に大きく影響を与えてしまう設問であったと思います。類似問題を第2回で再度出題することは考えにくいですが、復習だけはしておきましょう。麻布・武蔵志望の生徒は特に本番に繋がる問題です。
大問4[平面図形・作図]
説明どおりに作図できるかどうかが、問われている問題です。正六角形であることと、円と扇の関係から、正三角形をイメージできれば大丈夫。麻布志望の生徒には確実に得点して欲しい問題でした。
大問5[立体図形・切断]
立教新座で数年前に全く同じ切断問題が出題されています。開成・駒東・早稲田志望の
生徒さんにはぜひ一度解いて欲しい問題です。切断面を綺麗に書き上げて、体積を求める(1)はぜひ鮮やかに体積比で解ききって欲しいと思います。
総評
大問5題 小問11題の問題構成
前年が大問6題 小問13題であったことや、緻密な計算力を問われる問題が減少していることから易化していることは明らかです。
確実に得点をしたい問題は大問1(1)大問2(1)大問3(1)(2)大問4(1)大問5(1)と、約半数が手堅く得点可能な問題で構成されています。
しかしながら、前年の合格者平均が69点であったのに対し、本年が59点であったことを鑑みると、全体的な受験生の試行錯誤能力低下あるいは、問題文読解能力の低下のいずれかが顕著にあらわれているとも言えるでしょう。
第2回入試に向けて必要な準備は、今回のような「じっくりと読み解く問題」への更なる強化であり、1問1問をミスなく解ききる力も合わせて試されていると言えます。