身近な太陽

2024/4/18

エクタス理科より

2024年4月9日に皆既日食が観測されました。

といっても、日本ではなく北米(メキシコ、アメリカ、カナダ。現地時間で言うと8日午後)でのできごとです。

皆既日食は頻繁に起こるものではなく、かつ時間も短いので、いろいろな分野の科学者たちがこれを楽しみにしています。

例えば、ある研究チームは「皆既日食が起きているとき野生の動物はどのような行動をするか」を調べようと準備していて、結果、前回の皆既日食のときと同様に「キリン、ゴリラ、リクガメなど種類の異なる複数の動物が寝場所に帰って行く様子」が観察されました。「今後はめったに起きない自然現象をどのように動物たちが認識しているか解明したい」と、その研究チームは言っています。

一方、現在の太陽は「極大期」に近づいています。極大期とは太陽フレア等の活動が極大になる時期で、平均すると11年ごとに起こるとされています。前回の極大期は2014年とされているので、その11年後の2025年が極大期とされています。今回の皆既日食でも、太陽表面から立ち上がったプロミネンスがしっかり見えており、極大期にさしかかりつつあることを実感できました。

実は、私たちの生活にも影響があるのです。

太陽極大期になると、太陽から多くのX線やガンマ線、高エネルギー荷電粒子が発生し、地球に到達すると通信障害や停電が起きる可能性があります。これは困りますね。

また、普段は緯度の高い地域でしか見られないオーロラが、日本でいうと北海道でも見られるようになります。

オーロラの色といえば青や緑ですが、この「低緯度オーロラ」はなんと赤色に見えます。

ここまで「地球での皆既日食」についてお話ししましたが、それでは皆既日食時に宇宙から地球を見るとどのように見えるでしょうか?

国際宇宙ステーション(ISS)から見た地球に落ちた影の写真がSNSにアップされていますので興味がある方は検索してください。

このように太陽に関する現象や活動によって、地球上ではいろいろなことが起こります。

中学入試においても皆既日食が起こった年や太陽極大期の時期になると太陽に関しての問題が出題され、「皆既日食」はもちろん、「太陽フレア」「オーロラ」「プロミネンス」等の用語を答えさせることがあります。

今回の皆既日食は日本で見られないので関係ないと思わず、日頃のできごとを地球規模で考えてみると面白いでしょう。

関連記事related posts

エクタス理科より

皆さんはネズミの笑わせ方を知っていますか?

  そもそもネズミが笑うことを知っていましたか?1999年にネズミもくすぐると笑う、という研究結果が発表されました。そのころは人間に近い霊長類のサルがはたして笑うのだろうか、と多くの研究者が議論をしていた時期で…

エクタス理科より

麻布中の理科の入試問題より

   秋も深まり、冷たい秋の風が吹く日が続いていますね。先生のように地方から出てきた人の間では、東京は「秋がないよね(夏が終るとそのまま冬に突入する)」という話がよく出てきます。今年は夏が終って冬に入る前に秋ら…

エクタス理科より

昆虫食

2007年に、地球温暖化の問題点を広く世間に知らしめ、地球温暖化防止に必要な基盤を築くために努力したということで アメリカの元副大統領のアル・ゴアさんがノーベル平和賞を受賞しました。 なぜ、地球温暖化防止を唱えた人がノー…

新着記事latest posts

2024/5/16

お知らせピックアップ

筑駒・開成・桜蔭対策:小6合格力完成講座~パーフェクトアプローチ~ 9月開講

「合格力完成講座~パーフェクトアプローチ~」は、筑駒・開成・桜蔭を目指す小6最上位生を対象に、日曜日に開講する特別講座です。本講座では、演習→添削→解きなおしを繰り返すことで、弱点や苦手を徹底的にカバーでき、得点力を確実…

お知らせピックアップ

2024/5/16

お知らせピックアップ

【7/15・9/14】筑駒・開成・桜蔭 学校別合格力判定模試(小6生)

筑駒・開成・桜蔭中をめざす小6生を対象にした模試で、Z会エクタス栄光ゼミナールの各教室で実施します。 各学校の出題傾向をもとに問題を作成し、合格ラインを提示します。 ■日程7月15日(月・祝)・9月14日(土) ■会場エ…

お知らせピックアップ

2024/5/16

お知らせピックアップ

2024年度夏期講習 7/21開講

先輩たちに続く夏。 2024年入試では、在籍125名中70名のエクタス生が筑駒・御三家・駒東中の合格を勝ち取りました。 中身の詰まったエクタスの夏期講習で自分の力をとことん磨き、先輩たちに続く夏にしましょう。 小1~小3…

お知らせピックアップ

pagetop