京(けい)から富岳(ふがく)へ

2020/6/29

エクタス理科より

2020年6月22日、スーパーコンピューターの計算する速さを競う世界ランキングが発表されました。ニュースでも伝えられていましたが、皆さんはご存じでしょうか?

そのランキングで、日本の新しく開発されたスーパーコンピューター「富岳」が、8年ぶりに1位を取りました。

「富岳」の前に世界ランキングで1位を取った日本のスーパーコンピューターの名前が「京」です。2011年6月から2011年11月の間に1位でした。その「京」の後継として開発されたのが、今回1位をとった「富岳」です。しかも「富岳」はまだ完全に完成しているわけではなく、来年のスタートに向けて準備をしている段階で1位をとりました。このことだけでも希望が持てる明るいニュースですね。

さて皆さんは、スーパーコンピューターがどのように役立っているのか知っていますか?「私たちの生活に関係あるのかな?」と疑問に思っている人もいるかもしれませんね。

「シミュレーション」という言葉があります。いろいろな意味で使われる言葉なので、皆さんも知っていると思いますが、スーパーコンピューターはこの「シミュレーション」がとても得意なのです。実際に実験することができないことをスーパーコンピューターに計算によって仮想の実験をさせることができますし、宇宙の成り立ちなど実際に見ることができないことを計算させて、そのようすを知ることができます。

では、私たちの生活に身近なところでは何か役立っているのでしょうか。

たとえば新しい薬を開発するためにとても多くの薬の中から有力な候補を選ぶためにスーパーコンピューターを使っています。あるいは大規模な災害のようすをシミュレーションして、どのようなことが起こるのかを予測して避難計画を決めるのに役立てています。今回、紹介した「富岳」もまだ完全にできあがってはいませんが、新型コロナウィルスの感染予防に役立てるために来年をまたずに運用が始まりました。

このように、スーパーコンピューターはさまざまなことに役立っていますし、科学技術を発展させるためには欠かすことのできないものです。そして世界でもトップクラスの性能を持つ「富岳」は、これからさまざまな役割を果たし、大きな結果を出してくれることでしょう。きっと「富岳」という名前をニュースなどでたくさん聞くことになるのではないでしょうか。

さて、これからAIの技術はさらに進化すると考えられます。そのこととあわせて考えると、皆さんが大人になる頃には、たくさんの研究や技術開発のもととなるシミュレーションがさかんに行われ、実際に実験などで試す前にいろいろなことが予測できるようになっていることでしょう。また、実際に観測することができないものが、コンピュータによってつくられた映像で見ることができるようになります。近い将来、そのような未来が来ることが考えられます。そう考えると未来がとても楽しみですね。

皆さんの中には、こういう分野に興味を持ち、進路として選択する人もいるかもしれません。

私立の中学校にはさまざまな部活動がありますが、筑波大学附属駒場中学や開成中学、麻布中学にはパソコン部があるそうです。プログラミングに興味がある人は、まずは部活動から最初の一歩を踏み出すのもいいかもしれません。

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