少しずつ暑い日が続くようになり夏の入り口のような季節になってきましたね。
受験生のみなさんは日々勉強に励んでいると思います。
さて、本年の駒場東邦中学校の大問3では、ハマダンゴムシに関する問題が出題されました。ハマダンゴムシの幼体が波打ち際で波乗り行動をする理由を考える問題です。波に乗ってエサとなる海藻の近くに打ち上げられようとしていることが理由と考えられます。
ハマダンゴムシと聞くと「ダンゴムシ」を想像すると思います。ダンゴムシはどのような動物か受験生のみなさんであれば知っていると思います。
ダンゴムシは無脊椎動物、節足動物の中の甲殻類の仲間です。甲殻類と言えば中学入試ではエビ、カニ、ミジンコ、ダンゴムシと覚えていると思います。ダンゴムシは甲殻類の中で更にワラジムシ目もしくは等脚目という仲間に分類されます。
甲殻類の仲間のほとんどは水中もしくは水に近い場所で生活をしていますが、完全に陸上生活のものもいます。甲殻類の中で陸上生活をするもののほとんどがワラジムシ目に分類されます。わりと身近にいるワラジムシ目の動物の中で、聞いたり見かけたりする機会が多いものを少しだけ紹介したいと思います。
まずはよく知っているダンゴムシです。正式名称はオカダンゴムシと言います。刺激を受けることで体を丸めることが有名ですね。落ち葉を食べて菌類や細菌類が分解しやすい状態にするので土壌を豊かにすると言われていますが、農作物などを食い荒らしてしまうこともあるので害虫として扱われることもあります。石などをひっくり返して見たことがあるのではないでしょうか。
続いてフナムシです。海岸近くに住んでいて水に入ることはほとんどありません。防波堤や磯で見かけることがよくありますが、自分より大きい生物の姿を見るとものすごい速さで移動し物陰に隠れてしまいます。こちらも生物の死骸を食べるので海の掃除屋さんと言われることがあります。ちなみに先生は防波堤で釣りをしている最中にフナムシにかまれたことがあります。食欲旺盛なのですね。
続いてウオノエの仲間です。ウノオエの仲間は名前の通り魚に寄生しています。タイの口の中に寄生するタイノエや、サヨリのえらに寄生するサヨリヤドリムシなどが有名です。どちらもダンゴムシにそっくりな姿をしています。少し驚くかもしれませんが、タイやサヨリを丸ごとさばくと良く見かけます。興味がある人はぜひ観察をしてみて下さい。
最後はダイオウグソクムシです。世界最大のワラジムシ目の仲間で深海に生息しています。す。水族館などで飼育をされていて、一時期「○日間エサを食べなくても生きている」と有名になったことがあります。が、実際は他のワラジムシ目の仲間と同様、深海の掃除屋さんと言われ、死んだ魚やクジラなどをエサにしています。こちらも実際は食欲旺盛なようで、網や篭にかかった魚類を食い荒らすのであまり好まれないこともあるようです。
みなさんの身近にいるダンゴムシの仲間は陸上から深海まで幅広く生息しています。天敵から逃げたという理由もあると思いますが、何かの可能性を求めて体のつくりを進化させ続けた結果と言えます。
受験生のみなさん、これから受験の天王山とも言われる夏休みに向かいます。自分の可能性を信じて日々勉強に励んでほしいと思います。
頑張れ!受験生!