2022年度入試 筑駒・御三家・駒東の理科

2022/4/14

エクタス理科より女子学院桜蔭中武蔵中筑駒開成中雙葉中麻布中

少し暑いかな、というくらいあたたかくなってきましたね。
小学校でも6年生となった受験生のみなさん、入試まで残り10ヶ月をきりました。

さて、今回のブログでは2022年度の筑駒・御三家・駒東の理科の出題について簡単に紹介をします。

まず筑駒です。
筑駒の出題の特徴として、生物の分野では生物の細かな体のつくり、季節ごとの生活の様子、飼い方などを問い、日頃から意識をして観察しているかどうか、その場で科学的に分析できるかどうか、ということが挙げられます。また、物理では特徴的なてこ(ルールを見つける、不定方程式を解く)と電流(条件通りに試す)の問題が出題されます。本年の問題はどの問題も難度が低く、てこは通常のてこが出題され、電流も8通り試せば良い問題であったため、例年のボーダーである80~85点より更に高い90点以上がボーダーであり、合格者の中には95点以上を取ることができた受験生も多くいたと思われます。いかにミスをしないかで合否が決まったと言えます。

次に開成です。
開成の出題の特徴としては、化学ではミスが許されない典型問題、深いところまで問う実験器具の問題、地学ではある変化から起きたことを予測し、分析して答える、グラフを描かせる、生物では、図や写真を用いての観察、分析力が必要な実験観察問題、物理では説明に沿って解き進める、といったことが問われます。総合すると、典型問題を確実に解く力、プラス、読解力、思考力、分析力、処理力のすべてに長ける必要があります。ここ3年間はこの傾向が顕著になっており、今後もこの傾向はブラッシュアップされ顕著になっていくと言えます。

次に麻布です。
麻布はリード文から読み取った思考のプロセス+基本知識、この2つを用いることにより正解に至るpisa型の入試問題を出題します。近年及び本年の特徴としては、読ませる分量、つまり受験生が読み取らなければならない分量がどんどん増えてきていることがあげられます。文章だけでは無く、図、表、グラフなど問題に書かれている全てを正確に読み取ることが必要です。こうした問題で正解を出すためには、「普段から身の回りの情報を収集する意識を持って行動することが必要と言えます。」このことは麻布のみならず、近年の難関校の理科を解くために必要な力であると言えます。

次に武蔵です。
武蔵は図からの読み取り、文章からの読み取りをし、答えるタイプの問題ですが、どちらも先入観なしに答えることが必要です。本年は大問1の知識で記述が無かったこと、大問2の読解問題の読み取りがしやすかったこと、大問3のお土産が答えなければならないことがわかりやすく、答えることも限定的な問題であったため、受験者平均も合格者平均も過去最高値となりました。問題構成や受験生に求められる力は武蔵らしいと言えるので、例年になく「武蔵のための対策(知識+読解+お土産)、その中でも読解とお土産に力を入れること」を入念に行うことが必要であったと言えます。

次に桜蔭です。
問題全体を見渡して必要な情報を拾い上げて解く、作問者の意図に気づくと楽に解けるのが桜蔭の問題の特徴です。本年は例年よりも難度が低かったため、例年のボーダーである50点は必達、50点を超して満点の60点にどれだけ近づけるかで合否が決まったと言えます。高い合格ラインに対し、正解すべき問題はミスをすること無く全て確実に正解をする必要があったと言えます。

次に女子学院です。
スピード、正確さはもちろん、判断力、分析力、処理力が存分に問われるのが女子学院の問題の特徴です。本年の出題もこの女子学院らしさが全面に出ていたと言えます。このような問題で大切なことは、典型問題+αで合格ラインまで乗るということです。ですので典型問題で絶対にミスをしないことが女子学院合格に必要な条件の一つと言えます。このことは麻布と同様、女子学院のみならず、近年の難関校の理科を解くために必要な力であると言えます。

次に雙葉です。
答えに限りなく近いヒントもしくは答えが問題中に書かれている、正解をさせるための誘導がついているというのが雙葉の問題の特徴です。上位生ほど自分の知識、自分の力のみで問題を解こうとしますので、雙葉を目指す受験生に過去問をやらせると上位生ほど取れない、ということがよくあります。
本年は大問1と大問4で答えにくい問題が多いため合格ラインは例年より低いと思われます。知識ではなく問題で与えられていることを使って解くことが雙葉合格には必要です。

次に駒東です。
生物の少しマニアックな問題、前年にテレビなどで取り上げられたことがテーマとなる問題、実験結果をグラフ化し(もしくはグラフを描かせる)、その結果を読み取り、考察する問題が駒東の出題の特徴です。本年はこの傾向が顕著であったと言えます。典型問題でミスをしないこと、駒東らしい問題の中から難度が高くない問題を確実に得点することが必要であったと言えます。

2022年度の入試についてそれぞれ簡単に紹介をしました。

2023年度の入試では何が、どのように出題されるのか。
どんな問題が出題されても合格ラインを超せるよう、日比の努力を重ねましょう。

頑張れ!受験生!

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