第3回の解答
① 汚名をそそぐ
「汚名」を「そそぐ」だから、良くないことが増える、と考えてはいけません。「そそぐ」は水で汚れを洗い落とすことです。「不名誉なことをぬぐい去る」が正解。
② 役不足
「自分の実力ではこの重要な任務には役不足で出来ません。」は、間違った使い方です。反対の意味になります。
その人の実力に対して与えられた任務が軽いと思われるときに使います。
「あなたには役不足で申し訳ありませんが、ぜひお願いします。」と使います。
③ 流れに棹(さお)さす
流れに棹をさすと、水に逆らう感じだから、「世の中の動きに反対すること」と考えてはいけません。流れに棹をさせば、水の流れに合わせて下流に向けて流れようとしますよね。「時流に乗る」という意味です。
④ 天地無用
「上下を逆さまにしてはいけない」という意味です。郵送物などで上下を逆さまにして欲しくないときの注意書きで使われます。
⑤ 押っ取り刀
「押っ取り刀でかけつける」と使われますが、なんかのんびりと向かった感じがしますね。実際の意味は逆で「大急ぎでかけつけること」です。「押っ取り」は「勢い良く取るものもとりあえず」という意味です。「刀を腰に差す間もなく、手に持ったままでかけつける」という意味になります。
⑥ 鬼の霍乱(かくらん)
怖い人が暴れることかな、と思いがちですが、反対で「ふだん丈夫な人が珍しく病気になること」です。
いかがでしたか。全部知っていたという人は、大変立派です。
では、今回の問題です。
次の文章の最後の一文の持つ、表現上の効果を説明しなさい。
① 休み時間になると、突然A君とB君が取っ組み合いのけんかを始めた。それを知った先生は、教室で厳しく注意された。校庭のざわめきだけが教室に響いていた。
② 多くの困難と苦労を乗り越え成功を収めたC君と、いよいよお別れのときがきた。立ち去るC君はみるみる遠ざかっていく。ふと見上げると雲一つない青空がどこまでもどこまでも広がっていた。