皆さんはニュースや新聞にどれだけ目を通しているでしょうか?日々、世界中のいろいろな場所で様々な出来事が起きていることは言うまでもありません。一昔前なら、新聞やテレビのニュースくらいしか知る手段はありませんでしたが、今はインターネットの普及によりリアルタイムで情報を手にすることができるようになりました。もちろん、中にはフェイクニュースと言われるデマも含まれますから、安易にすべてを信じるわけにはいきませんが。
ロシアとウクライナという国が戦争状況にあることは知っている人も多いでしょう。そうした大きな出来事は、たとえ海の向こうの遠い国の出来事でも無関心でいてはいけません。入試という観点で言えば、その出来事にどんな考えを持つか(思想)は関係ありませんが、「事実関係」だけは把握しておく必要があります。
たとえば、ロシアという国は、昔はソ連という別の社会主義国家で、当時は今のウクライナもソ連の一部であったこと。そして、ソ連という国になる以前はやはりロシアという国であったこと。さらにその「昔の」ロシアと日本が戦争をしたこともあったこと等々…。
今年の筑波大学附属駒場中学の国語の入試問題で出題された詩は、谷川俊太郎さんの「合唱」という詩でした。その詩には「遠くの国で物のこわれる音がして」と書かれているのですが、戦争とか紛争とかいう言葉は一切出てきません。そして「僕を苦しめる」という言葉があり、「どういうことに苦しめられているのですか?」という設問につながっています。
地球上のあちこちで人々が憎しみあい戦争を起こし、罪もない人の命が失われていく。その苦しみを想像するだけで胸が痛い…
なぜこの詩が「合唱」というタイトルなのか?地球上のすべての人々が声をそろえて「平和」を求めてほしい…さもなければ地球の未来は…こんな風に発想を広げていかないと、何が言いたいのかわからないで終わってしまいます。
また、武蔵中学では視覚障害者にまつわる説明文が出題されました。自分がそういう境遇にない限りあまり考えないことですが、文章にされたものに目を通すと気づかずにいたことに心を動かされます。
文章を読むことは「文字を読む」ことではありません。内容を「流れ」として読み、いかに自分の発想を広げられるか、が重要なのです。皆さんもそういう意識を持ちながら、多くの文章に触れてほしいと思います。