4月になりました。教室の窓を開けると、暖かい風と一緒に桜の花びらが吹き込んでくるようになり、春の訪れを感じます。
先日、生花店の前を通ったところ、小さな黒板に「おうちでお花見を!」と書いてあるのを見つけました。今年は、屋外でのお花見が思うようにできなかった人が多いので、そうした人に向けたメッセージだったのでしょう。というわけで今回は花に関するお話をしようと思います。
生花店などで販売される花は農産物にふくまれ、統計表などでは「花き(漢字で書くと花卉)」と表現されます。花束にするような切り花から、鉢植え、球根などもこれに含まれます。主な産地をいくつか以下に取り上げてみました。
きく(2018年)
1位 愛知県 2位 沖縄県 3位 福岡県
カーネーション(2018年)
1位 長野県 2位 愛知県 3位 北海道
ばら(2018年)
1位 愛知県 2位 静岡県 3位 山形県
球根類(2018年)
1位 鹿児島県 2位 新潟県 3位 富山県
いかがでしょうか?農業の授業で花を扱う機会は少ないと思いますが、愛知県の渥美半島などできく(「電照ぎく」)が栽培されていることや、新潟県や富山県の県花がチューリップであることは、知っている人も多いのではないでしょうか。こうした知識と組み合わせることで、「どの県が上位に含まれているか」だけでも知っておきましょう。
最後に、花を扱った問題を、2018年の渋谷教育学園渋谷中学校(第1回)の入試問題から1つご紹介します。名前が伏せられた3種類の花(きく・カーネーション・ばら)について、月別の出荷量のグラフと生産量の順位、それぞれの花に関する説明文が示されており、最終的にはどれがどの花に当てはまるのかを一致させなくてはならないというものです。花の名前が示されていないので、仮にすべての花の生産量の順位を覚えていたとしても、それだけでは解くことができません。そこで説明文を注意深く読んでいくと、「高温多湿に弱く、特に夏は涼しくないと生育が悪くなる」や「朝から晩まで常に日が当たっている環境を好む」など、どのような地域で栽培されているかがわかりそうなヒントが見つかります。また、「結婚式で用いられることが多い」「葬儀やお墓まいりに用いられる」という文章とともに、結婚式やお墓まいりが行われる時期を表したグラフがあるので、これらと月別出荷量を組み合わせて考えることもできます。さらに、「母の日に贈る花」が何なのか、「人工的に光をあてて開花時期を遅らせたり」して栽培する花は何なのかがわかれば、より確実に正解することができます。
花は、その美しさで目を楽しませるだけでなく、さまざまな行事で、また日常生活において、思いを伝えたり気持ちを和ませたりと、大切な役割を果たしてきました。生徒のみなさんも、勉強の合間やちょっとした時間に、窓の外に目を向けてみてはいかがでしょうか。
おまけ(諸説あり)
黄色いマリーゴールドの花言葉「健康」
ガーベラの花言葉「希望」「前進」
サザンカの花言葉「困難に打ち勝つ」