スポーツの祭典、オリンピックではなく、こちらでは算数オリンピックの問題に挑戦してみましょう。今年の算数オリンピックトライアルの問題です。
【問題】次の2つの式がどちらも成り立つような1以上の整数A、Bを求めなさい
A×B=440134
A+105=B
では早速解いていきましょう。まずは440134を素因数分解することを考えます。
2×220067 となって、220067が何かで割れるはずなのですが、なかなか約数が見つかりそうにありません。この考え方ではうまくいきませんね。ということはなにか決まった解き方があってそれにあてはめれば解けるような問題ではなく、試行錯誤が必要な問題だということになります。ひらたくいえば、「予想してあてはめてみる」です。
一の位に注目しましょう。Aの一の位とBの一の位の積の一の位は4です。さらに一の位の差は5ですね。これにあてはまる組合わせは「2と7」か「3と8」です。
ほかに考えられることは何かないでしょうか。AとBの積はおよそ440000ですね。600×700=420000ですから、Aはだいたい600、Bはだいたい700くらいということがわかります。
これらから、Aが602でBが707ならどうだろうか?と試してみるわけです。
602×707=425614
15000ほど小さいですね。このあと、603×708、612×717、613×718…とをそれぞれ試してみれば正解にたどりつくはずですが、603×708や612×717は、どちらも3の倍数ですね。440134は3の倍数でないことははじめに素因数分解したときにわかっているはずですから、602×707の次は、613×718を試してみようと考えるべきです。
613×718=440134
という訳で、Aは613、Bは718だとわかります。数について様々なことを頭に思い浮かべながら、できるだけ簡単に短い時間で解きたい問題ですね。