自分の記憶の中では,多分生まれて初めて自分で読んだ本が,「スケートをはいた馬」だった気がします。小学校1年生の時だったか,なぜかは忘れてしまいましたが,担任の先生がくださったのです。
「それは5月35日のことだった。」確かそんな出だしで始まるお話だったと思います。今でこそファンタジーとかわかるわけですが,小学1年の少年には「5月35日」という日があるのが,不思議で不思議でならず,夢中で一気に読んだ記憶があります。読み終わった後も何回も何回も繰り返し読みました。
気に入った同じ本を何回でも繰り返し読む子がいますよね。気持ち,すごくよくわかります。親からするともっと他の本を読めばいいのに,とつい言いたくなるかも知れませんが。
今で言う理科系で作文の苦手なコンラート少年が,スケートをはいた馬と作文の題材探しのため,冒険をする話だったと思います。そのスタートがたんすでした。たんすの中に入ると道になっていて,未知の世界にたどり着くというわけです。これにも限りない好奇心をかき立てられました。
あんなに夢中で読めたのは,物語自体も確かに大変面白かったのですが,「先生にいただいた」というシチュエーションが多分とてもうれしかったのもあったのだと思います。初めての「読書」にどう出会うか,はその後の本との関わり方に少なからず影響があるのかもしれません。
読書のコツ①
お誕生日プレゼント,親戚の方や知人からのプレゼント等,特別なシチュエーションでの本との出会いが,子どもの読書熱をかき立てるの場合もあるので,「本との出会い」をうまく演出してあげましょう。