【総評】
〇合格者平均61.1 受験者平均49.9 毎年開成の算数ではこの平均値が15点近く離れること
を考えると、差がつきにくい入試問題であった。
〇問題構成は例年通りの大問4題。それぞれの大問において、難度の高い問題が配置されていたため、
確実に得点出来る問題を見逃さずに得点しきることができたか否かが勝敗の分かれ目。
〇大問1・3では計算力が試されておりかつ、大問2では開成としては新傾向の思考問題を出題。
大問4は開成らしい立体図形であったが、目新しい問題であった。つまり、過去問だけにとどまらず、
多様な学習を積極的にする姿勢が要求されている。
【細評】
大問1 数の規則性 小問6題
前提条件の文章の読み取りに屈すると厳しい。(1)(2)は確実に正解したい問題。(3)は「小さい方から5番目」については少しの注意で得点出来るが、「大きい方から5番目」については計算力と検証力が試されている。「小さい方から5番目」までを得点できれば問題ない。逆に「大きい方から5番目」は回避した方が無難と言える。
大問2 図形の数式化 小問6題
図形の面積そのものを数式化していく問題。図形としてとらえてしまうと難問となるため、機転をきかせて数式に落とし込めるかどうかが勝敗の分かれ目。そこに気づくことができた生徒は大きなアドバンテージをつくることが出来る。(1)(3)及び(4)のイ・ウは容易で失点は許されない。(2)は(4)を仕上げてから戻ることも可能。つまり、難度順に問題が配置されていない。最低限の得点を担保できれば(2)や(4)アなどは回避して良い。
大問3 速さ・周回運動 小問4題
分数がつきまとう計算が頻出する。問題内容そのものは標準的なものであるため、全体的に平均点が高い大問と想定。(1)(2)は外せない。(3)は合否を分けた問題。(4)は計算が複雑になるため、回避して良い。
大問4 立体図形 小問4題
斜めに傾いた角柱がテーマの問題。(1)は外せない。(2)はこの角柱の切断について考えさせる設問で、(3)についても(2)の続きとなっており、(2)が正解できたかどうかで大きく差が付く。(4)は立体そのものをとらえることが難しいため回避しても良い。