【総評】
〇合格ボーダーは12問中10~11問正解。配点が1問8~10点と高いため、9問正解では厳しいと思われる。
〇例年、出題されていた「速さ」「点の移動」「水量変化」などの時間とともに変化する様子を考える問題が、出題されなかった。
〇例年、〔4〕の最終問題は正答率が低く回避すべき問題であったのが、今年度は正解すべき問題であった。〔2〕〔3〕の最終問題が、今回は正答率が低かったと思われる。
〇昨年同様、基本的な平面図形(相似と面積比)の問題が出題された。ここで失点すると合格はかなり難しいと思われる。
【細評】
〔1〕ルールと操作の問題 小問3問
筑駒に頻出され、かつ必ず正解しなければならない問題。ルールに従って、素早く確実に計算して、書き上げて、規則性を探し出すことがカギとなる。今回はフィボナッチ数列になることが容易に気づくことができると思われる。失点は許されない問題。
〔2〕不定方程式 小問3問
整数条件での不定方程式の解法は基本知識だが、本問は範囲によって3つの場合分けがなされており、作業が煩雑な問題である。しかし解き方は変わらないので、素早く確実に計算し書き上げていく(または等差数列の発想で工夫する)ことで、正解できる問題である。ただし最終問題は、時間がかかるため、回避しても構わない問題と思われる。
〔3〕規則性(等差数列・数表) 小問3問
100×100マスの数表の問題。行の数と列の数で、数表の要素を数式化できるかどうかがカギ。今回はA行B列の数が1+(A-1)×(B-1)で表されることに気づくと、
A=Bのときに、この数表に奇数個しか書かれないと気づくことができる。手を動かして調べるのは当然だが、手を動かしながらも一般性を論理的に思考する力が求められている。ただし、最終問題は今回の入試問題で最も正答率の低い問題であるので、40分と大変時間がタイトな筑駒の入試においては、回避すべき問題と思われる。
〔4〕平面図形 小問3問
相似と面積比の問題。「台形を対角線で4つの三角形に分割したときに、そのうちの向かい合った1組の三角形は面積が等しい。」は基本知識だが、逆に「四角形を対角線で4つの三角形に分割したときに、そのうちの向かい合った1組の三角形の面積が等しければ、その四角形は台形である。」と基本知識が応用できるか否かがカギになる。確実に正解しておきたい問題。