無形かつ言語化も困難な「気」の力ともいうべきものを,修行や時運をつかむことで茶道として確立した千利休の世界について語った大問1。楽しい夏のひとときを保つため,別荘主の子の機嫌を損ねぬよう偽りの媚びへつらいで応じた少年達のうしろめたさをテーマにした大問2。以上2つの大問で構成されています。
問題数は,大問1・6問,大問2・9問。漢字,語句,文学史の知識・要点や心情を端的に問う選択式と記述式…をまんべんなく配置したオーソドックスな出題です。この点は,例年と大きな変化がみられません。
大問1・問5において,一つの選択肢に4~5行が割かれています。このように重厚な選択式は,これまでに出題例がありません。短時間での,より精緻な要点の分析を迫るものになっています。また,大問1・2ともに,マス目のない2行枠の記述式が登場しています。複雑多岐な心情・要点の中から,最重要ポイントのみを絞り込んで端的に書ききる体裁は,男子最難関,筑駒中・開成中の入試問題を彷彿とさせます。本年の渋谷幕張中の国語科は,息つく間もない集中力・読解,分析力・記述力を要求しており,総じて難化したというべきです。
当速報で復習し,油断なく,来るべき2月入試に備えてください。