オイラーはヨーロッパが生んだ偉大な数学者です。1707年生まれで今年は生誕303年にあたりますが、驚くべきことに生誕200年を期して始まった全集の編集、発行事業がまだ終わっていません。すでに76巻(78冊)までは発刊されているようですが、最終的には89巻(91冊)になる予定だそうです。その業績の膨大さにもド肝を抜かれますが、時代を超越したように悠然と続けられる刊行事業にはヨーロッパの知的な底力を感じさせられます。
原著はドイツ語やラテン語で書かれているそうですが、もちろんフランス語やロシア語、英語などにも翻訳されています。原著からの立派な日本語訳も出始めていますが大変な苦労があるようです。参照しうる限りの初版本といえども簡単に原典とは言えないのですから。
なぜならば自筆の原稿があるからです。なんと塩漬けにされて保管されているという話を聞いて腰が抜けそうになりました。日本の研究者は、まだそれを活用するところまではいってないそうです。