2014年9月8日は今年の中秋の名月が見られます。
中秋の名月とは、旧暦の中秋で見られる月のことです。中秋とは秋のちょうど真ん中の日のことです。旧暦では秋は7月、8月、9月ですから、旧暦で中秋は8月15日になります。毎年9月~10月頃にかけて中秋の名月が見られ、日本人はすすきを飾って月を見ながら「お月見」をする習慣がありますね。
お月見といえば「満月」という印象があると思いますが、中秋の名月は満月になるとは限りません。「え!??」と思うかもしれませんが、近年で中秋の名月が満月であったのは2011年、2012年、2013年です。3年間連続で満月が続きましたが、次の中秋の名月が満月であるのは2021年です。なぜ、中秋の名月が満月ではないのでしょうか。
これは新暦と旧暦の違いによるものです。現在使われている新暦は太陽の動きを基準に日付を決定しています。これに対し、旧暦は月の動きを基準に日付を決定しています。新月である日を1日とし、日付を1日ずつ増やしていきます。次の新月で日付は1日に戻ります。月の満ち欠けの周期は29.5日ですから、旧暦で1ヶ月は29~30日となります。(これだと1年間に足りないですね。太陽の動きと大きくずれないように、現在のうるう年と同じように「うるう月」をくわえて調整をしていました。)
もうわかったと思いますが、旧暦で8月15日は新月である8月1日から数えて15日目の月ですから、満ち欠けの様子は必ず新月です。現在使用されている新暦では新月となる日は毎年違いますので、旧暦の8月15日になる日もかわってきます。ですから、中秋の名月が満月になるとは限らないのです。
さて、2014年の天体ショーですが、10月8日には全国で皆既月食が見られる予定です。ほぼ全国で月食の経過を確認できます。2014年は日本で皆既月食が2回観測できる珍しい年でしたが、全回の4月15日には限られた地域でしか見ることができませんでした。受験勉強の合間に、ふと夜空を見上げてみましょう。