皆さんは惑星とはどのような星かご存じですか?もちろん上の学年の皆さんはよく知っていることでしょう。さて、よく知られている惑星とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8個の惑星です。太陽の周りを公転している惑星で、太陽系の仲間になります。長い間、太陽系以外で惑星は見つかっていませんでした。夜空に見える星座の星はすべて恒星で、太陽のように自らとても強い光を出しているため、遠く離れている地球でも見ることができますが、惑星は自ら光を出していないため、遠く離れた地球から直接見ることができません。そのため長い間、太陽系以外にも惑星はあるだろう、と考えられていましたが、惑星そのものを発見することはできませんでした。
近年の科学技術の発達と長年の天体観測の積み重ねにより、1990年代になって太陽系外の惑星が発見され、これまでにたくさんの太陽系外の惑星が発見されてきました。そして今年の5月、ケプラー宇宙望遠鏡による観測の結果、新たに1284個の惑星が発見されたというニュースが飛び込んできました。驚くことに、そのうちの550個近くが地球のような岩石でできている惑星の可能性があり、しかも水が液体で存在できるちょうどよい距離に9個の惑星がある、というのです。広い宇宙のほんの一部を調べただけで生物が生きることができる条件を持つ惑星がこれだけ発見できたことを考えると、地球外の生命のいる可能性は、想像している以上に高いのかもしれませんね。
さて、惑星は自ら光を出すことがないので、直接見ることがとても困難な星ですが、いったいどうやって発見しているのでしょう?皆さんならどうしますか?すぐに調べる前に自分で一度考えてみてはどうでしょうか。何かひらめきがあるかもしれませんね。
直接見ることができないものを研究している科学者はたくさんいます。見えないからといってすぐにあきらめてしまっては、科学は進歩しません。大切なのは「直接見ることができなくても何か知る方法はないだろうか」と考え続けることです。そうすればどこかに解決の糸口が見つかるものです。
昨年の麻布中の問題で、地球の内部を調べる方法が問題に出ていました。地球の内部も地面を掘る技術には限界があり、深いところのようすを直接見ることは現代でもできません。長い間、地球の内部構造は未知の領域でした。1900年代初めの頃からさまざまな研究の積み重ねにより、現在では図鑑やテキストで簡単に地球の内部構造を知ることができるようになりました。つまり直接見ることはできなくても知る方法がいろいろとみつかったということです。興味がある人は昨年の麻布中の理科の問題に挑戦してみましょう。新しい発見があると思いますよ。
皆さんは授業中「もっと粘り強く考えなさい」と、よく先生たちに言われていると思います。このことは、テストで良い点をとるためだけではなく、将来どのような分野に進むにしても必要となるとても大切な力を身につけるために必要な練習になります。難しい問題にあたったとき、すぐにあきらめたりしないで精一杯考え抜いてください。受験勉強を通して「粘り強く考える」力を身につけて欲しいと思います。受験勉強は、「志望校への合格」だけではなく、皆さんの力を大きく成長させるとても良い経験となるはずです。