連続する整数による和分解

2020/7/6

エクタス算数科

問題です。

1から100までの整数のうち、1以上の連続する整数の和で表すことができる整数について考えます。たとえば、3=1+2、6=1+2+3、33=10+11+12のように、3、6、33は連続する整数の和で表すことができます。1から100までの整数のうち、このように連続する整数の和で表すことができる整数は何個ありますか。(平成25年市川・改題)

最近このような連続する整数の和に分解する問題を目にすることが多くなってきました。開成、聖光学院、渋谷幕張などの難関校でも出題されています。

ある整数Xが連続する整数の和で表されるかどうかは、「Xの約数のうち、1以外に奇数の約数があるかどうか」によって決まります。
Xが連続する整数の奇数個の和で表される場合、個数がXの約数になります。例えば、6=1+2+3の場合、個数は3で平均は2です。6の奇数の約数は3ですね。
Xが連続する整数の偶数個で表される場合、平均がXの奇数の約数の半分になります。例えば、10=1+2+3+4のとき、個数は4で、平均は2.5です。10の奇数の約数は5ですから、その半分が平均になっているということです。

よって、1以外の奇数の約数があれば、連続する整数で表すことができるということになります。例えば、63には、1以外の奇数の約数が3、7、9、21とありますね。
63=20+21+22(個数が3個)
63=6+7+8+9+10+11+12(個数が7個)
63=3+4+5+6+7+8+9+10+11(個数が9個)
63=9+10+11+12(平均が21の半分である10.5)
このように63は4通りの連続する整数の和で表すことができるのです。

つまり1以外の奇数の約数の個数だけ連続する整数の和で表す表し方があり、連続する整数の和で表せないということは、1以外の奇数の約数がない、ということになります。
よって、1から100までで、1以外の奇数の約数がない数は、1、2、4、8、16、32、64の7個ですから、はじめの問題の答は93個となります。

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