2年生のときに取り組みたいこと

2019/4/15

女子学院桜蔭中武蔵中筑駒開成中雙葉中麻布中

先日の入試報告会では、たくさんの方が来てくださいました。誠にありがとうございました。
私は、女子御三家の国語というテーマでお時間を頂戴し、「御三家・筑駒中の入試問題を解くためにはこんな力が必要です。その力をつけるためには日々こんなことをするといいですよ」
という流れでお話をさせてもらいました。

当日は低学年の保護者の皆様もたくさんいらしたので、「目指す点はわかったけど、じゃあ小2の今は何をどうすればいいの? 何が出来ていればいいの?」と思われたのではなかろうか、と感じました。(私自身がもし小2の母としてあの場にいたら、そう考えるでしょうし、翌週の授業のお迎えのときに担当の先生に聞きたい、と思います)
そこで、今回は、「中学受験を目指す子どもたちに、2年生の頃何をしてほしいか」というテーマで書いてみたいと思います。小3のときに何をすべきか、についてはまた別の機会に。

小2のときに取り組むべきこと、それは「自分の好きなものにどっぷりとのめり込む経験」です。

この、「好きなこと」というのは、勉強に関することでなくてもかまいません。というと、あまり受験勉強に関係がない話のように思えるかもしれませんね。もっと言うと、そんなことはたいしたことでない、なぜ筑駒御三家専門塾のブログでそんな些細なことを取り上げるのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
はい。そう思われるのを覚悟の上で、わざわざブログで取り上げました。
子どもがのめり込める趣味は、決して些細なことではありません。「のめり込める」こと自体がとても高い能力の表れであり、子どもがのめり込めること、そしてのめり込むという経験には無限の可能性が秘められている、と私は考えています。たとえそれが勉強と一見関係がなくても、いざ勉強をしっかりしようという場面になったときに、「何かにのめり込んで一生懸命考えたり覚えたりした」ことが子どもの中で必ず結びつきます。だから、小2の今の時期から、何かにのめり込む経験を積んでほしいのです。

筑駒御三家に合格されるお子様は、スポーツや習い事、趣味など、何か熱中して打ち込んでいるものを1つは持っていらっしゃいます。そしてその周辺知識がものすごく深い。そしてその目覚めは低学年であることが非常に多いです。そうしたお子さんが、自分が熱中しているものをのびのびと出来る環境を求めて学校見学に行った結果、「この学校に行きたい」「そのために勉強しよう」という学校選びのポイントになったり、勉強へのモチベーションにつながっていったりする姿を、これまでたくさん見てきました。

しかし、日々現場で指導をしていると、せっかくのめり込めることを持っているのに、そのことを「たいしたことではない」「勉強には関係のない趣味だから」ととらえている親子がとても多く、もったいないなあ、とも感じます。そこで、お子様が好きなことに取り組めることをもっともっと前向きにとらえてほしい、と思った次第です。

もし、たくさん習い事をしていて特別に好きなものが決まっていないのであれば、自分は何が1番好きなのか、親子で考えてみましょう。

もっと欲を言うと、「1番好きなこと」については、少し背伸びした知識を、できれば活字で取り入れてほしいです。
たとえばサッカーが好きなら、サッカー少年が主人公のお話を読んでみるとか(今は小学生が主人公の、スポーツの読み物がたくさんあります。自分で読むのが難しければ読み聞かせても。そのうち自分で読みます)、鉄道が好きなら、鉄道の豆知識がたくさん載っている本(鉄道についても、書籍がたくさんあります)など。今、実際の具体物や動画やアニメーションや写真で見て聞いて捉えていることを、紙の上の文字で捉えられるようになってほしいのです。そして知識を蓄える練習をしましょう。ここで「自分なりに何かについて、対象年齢以上の知識をたくさん得る」経験をすると、「ちょっと難しいことをたくさん覚える」ことへの耐性がつきます。

さて、ここで話は、入試報告会に戻ります。
あの会では、「文章にのめり込む経験を積むことで、(今は成果が見えなくても)いつか必ずびっくりするような力をつけることができる」という話が出ました。
確かに、エクタスの国語は教師が語る場面は少なく、まずは子ども自身に問題を解かせるのではなく要約をさせることで文章へと向き合ってもらい、文章にじっくりのめり込む時間を取っています。これは6年生になっていきなり始めるのではなく、2年生の小さな子どもたちにも例外なく取り組んでもらっています。
「何かにのめり込む」……それが確かに、2月1日または3日当日の試験で記述する力につながっていて、のめり込むことがまず、筑駒御三家の問題を乗り越えるためのファーストステップだ、と私たちは自信をもって語ることが出来ます。
ですから、エクタスの国語の授業に参加している方はもうすでに「のめり込む」ことを体験してはいるのですが……。週に1回60分の授業だけでなく、日常生活でも「のめり込む」ことができるものを作れば、それもきっと力になりますよ。

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