筑駒中の理科の入試問題より

2019/11/25

エクタス理科より筑駒

急に肌寒くなり、冬が間近に迫ってきていると感じますね。
受験生のみなさんは寒さの中70日後にある入試に向けて日々勉強に励んでいると思います。

さて、本年の筑駒中の大問1ではツバメとカラスに関する観察問題が出題されました。ツバメとカラスのシルエットを正しく選ぶ問題、ツバメの巣に関する問題、ツバメとカラスの行動に関する問題、ツバメの渡りに関する問題が出題内容でした。

ツバメに関しては受験生のみなさんは受験勉強をする中である程度学習していると思います。春に南の国から日本に渡ってきて、産卵、子育てをし、秋に南の国へと渡っていく夏鳥です。天敵から逃れるためや雨風をしのぐために民家の軒下や海岸沿いの崖などに巣を作ります。
ではカラスに関してはどれくらい知っているでしょうか。

夕暮れ時カァカァと鳴きながら飛んでいる様子や、エサをとるためにゴミを漁っているイメージがあると思います。

日本の町中でよく見かけるカラスには、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類があります。それではこの2種類のカラスにはどのような違いがあるのでしょうか。

まずハシブトガラスです。やや大型で青みがかった特徴があります。くちばしはその名の通り太めで曲がっており、額の部分が盛り上がっている特徴があります。一方、ハシボソガラスはハシブトガラスに比べるとやや小ぶりで真っ黒いという特徴があります。くちばしは同じくその名の通りやや細めで、額の部分が平らという特徴があります。

見た目だけではなく行動にも違いがあります。ハシブトガラスがカーカーと澄んだ声で鳴くのに対し、ハシボソガラスはガーガーとやや濁った声で鳴きます。鳴き声だけではなく鳴き方も違い、ハシブトガラスは喉を膨らませて体をゆらさずに鳴くのに対し、ハシボソガラスは体を膨らませ頭を下げて尾を上げおじぎをするような姿勢で鳴きます。地上での歩き方にも違いがあり、ハシブトガラスはぴょんぴょんと飛び跳ねるように歩くことが多いのに対し、ハシボソガラスは2本の足を交互に動かして歩くことが多いです。

ハシブトガラスはもともと森の中のような環境で暮らしていたため、ビルが建ち並び見通しが悪いような場所を好みます。都心の近くのビルや住宅が多い場所で見られるのはハシブトガラスです。一方、ハシボソガラスは郊外の畑のような見通しの良い場所を好みます。駅から少し離れた畑や草原、公園で見られるのはハシボソガラスです。

以前別の学校の入試問題で出題されたことがありますが、貝などを高いところから落として割って食べたり、車にひかせて割って食べたりするのはハシボソガラスです。ハシブトガラスはゴミを漁って食べることが多いです。
同じカラスでも違いがたくさんありますね。むしろ、住みかやエサが違うおかげでお互いに争うこと無く棲み分けができていると言えます。

身近に見られるカラスのことを少し考えてみるだけで、様々なことがわかります。もちろん、これらのことの中には中学受験に過去に出題されたこと、これから出題されることがたくさんあると言えます。

受験生のみなさん、ここから学んだことはすべてみなさんの宝(知識)、入試における武器(知恵)となります。学んだことのすべてを本番で出し切れるよう、入試まで全力で追い込みをかけて下さい。

 

頑張れ!受験生!

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