回文というものをご存じでしょうか。たとえば「しんぶんし」や「たけやぶやけた」などの左から読んでも右から読んでも同じ言葉や文章になるものを回文といいます。
算数・数学では回文数という数があります。121、や15651など左から読んでも右から読んでも同じ数です。ここで問題です。
【問題】3けたの回文数は何個あるでしょうか。また4けたの回文数は何個あるでしょうか。
これは簡単ですね。まず3けたの回文数の個数ですが、百の位と一の位が1の回文数は、十の位が0~9までの10個あります。百の位と一の位は1~9までありますから、10×9=90個ですね。
それでは4けたの回文数はどうでしょうか。千の位と一の位が1のときは……などど考える必要はありませんよ。
3けたの回文数の十の位の数字を2つ続けてかけば4けたの回文数になるのがわかりますか。
101→1001、494→4994、888→8888といった具合です。つまり4けたの回文数の個数は3けたの回文数の個数と等しいので90個ですね。
さらに回文数を発展させて、回文になる計算式というものが存在します。たとえば、
12 x 2121 = 25452 = 1212 x 21
実際に計算をして確かめてもらえば、この式が正しいことがわかりますね。さらに、左から読んでも右から読んでも同じである上にさらに、計算の答えも回文数になっています。
12と21は回文計算式にはとても使いやすい数で、上記のほかにもこのような計算が、回文になるのがわかります。
12×4032=( )=2304×21
実際に計算をしてみて、計算結果が回文数になるかどうか試してみてください。
最後に回文計算式を覆面算にしてみました。次の問題にチャレンジしてみてください。式のすべての数字が文字になっていてその数字が何か考えるような問題を覆面算といいます。同じ文字は同じ数字を表し、違う文字は違う数字を表しています。
【問題】A、B、C、Dにあてはまる数を求めてみましょう。
AB×BCA=BDDB=ACB×BA
回文にはこれ以外にも196問題など、様々におもしろいことがあります。調べてみてはいかがでしょうか。
回文計算式もこのほかにもいろいろ見つけると面白いかもしれませんね。ちなみに最後の問題のヒントですが,ABとBAはすでにヒントをだしていますよ。回文計算式が作りやすいあの2けたの数の組です。