時間があると本を読んでいる。時間がなくても本を読んでいる。読書がとっても好きな受験生がいました。お母様もさすがに心配されて、2学期になり読書を禁止し、その分、受験勉強に時間を回すようにしました。物理的には勉強時間が増えたわけです。ところがどうしたことか得意のはずの国語の成績が徐々に下がってきてしまいました。本の読めないストレスがテストの成績に表れてしまったようです。お母様との最終面談で、思い切って「本を読ませてあげましょう」ということをご提案しました。この時期、なかなか勇気のいる提案でした。お母様もご信頼くださり、入試直前期の読書解禁、となりました。もともと得意科目の国語です。生徒本人も水を得た魚のように元気になり、国語の成績もすっかり元通り、いや、今まで以上に力強いものになり、憧れの第一志望校、女子学院に合格することが出来ました。
すべての受験生に一般化出来ない話ではありますが、読書でなくてもサッカーだったり、ピアノだったり、触れられないことが目に見えないストレスになっている受験生もいるかもしれません。ほんの少しの息抜きが、受験生の心と体のエネルギーとなり、明日の頑張りにつながる場合もあります。オリンピック出場を決めた女子ラグビーのサクラセブンズの選手の皆さんも、厳しい練習の合間にダンスをしたり、ネイルアートをしたりと、オンとオフをしっかり切り替えています。オフばかりでは困りますが、算数国語理科社会のたっぷり学習に、ほんの少しのオフを5教科目に加えてあげて、身も心も生き生きとあと60日を過ごして行ってほしいと思います。
読書のコツ④
読書好きな生徒にとって、本を読むことが国語を始め、他教科の成績維持につながっている場合があります。もちろんものには限度というものがありますが、勉強時間確保のためにむやみに本を読むことを禁止するのではなく、生徒本人の気持ちを尊重した対応を心がけてあげてください。