はじめまして。エクタスたまプラーザ校・大宮校で国語を担当しております蛯名政之と申します。よろしくお願いいたします。
さて、今回は指示内容を指摘する問題についてお話しいたします。
太郎は床から一枚の紙を拾い上げた。何も書かれていない。太郎は①それをくしゃくしゃに丸めてくずかごへ放り投げた。
問 下線部①「それ」とは何を指しますか。
小学生の皆さんはよく目にする問題だと思います。この問題、どのように解きますか? 授業で皆さんに問いかけてみて、返ってくる答えの中で最も多いのが「手前を探す」というやり方です。間違っていません。指示語の内容は、手前にあることが多いのは確かです。
しかし、ちょっと工夫するともっとわかりやすくなります。その工夫とは指示語の前後、(特に後ろ)を読むというものです。そうすると、「それ」とは「太郎」が「くしゃくしゃに丸め」られるものだということがわかります。その上で手前を探します。「太郎」「床」「一枚の紙」「何も書かれていない」という言葉がありますが、「くしゃくしゃに丸め」られそうなものは「一枚の紙」しかありません。
さあ、答えがわかりました、と言いたいところですが、ここでもうひと手間。答えだと思う「一枚の紙」を指示語「それ」の代わりに当てはめて文を読んでみましょう。
太郎は一枚の紙をくしゃくしゃに丸めてくずかごへ放り投げた。
意味が通りますね。「太郎」「床」を当てはめて読んでみればおかしいのはすぐわかります。この確認作業もぜひ行ってほしいものです。
普段「なんとなく」理解している事柄でも、ちょっとしたコツで解きやすく、精度を高めることができます。上記はその一例です。エクタスではこのようなコツもお伝えしております。自然にこの動作ができるようになるといいですね。当てはめることによる確認作業を忘れる方が多いようですので気を付けましょうね。