大型の台風が過ぎ去って2週間、10月上旬までの暑さがすっかりと無くなり急に寒くなってきましたね。昼間はまだあたたかいですが、夜は上着無しでは厳しく、寒い冬へと移り変わっていく時期になりました。
この時期から入試までに気をつけたいことの1つに、健康管理があげられます。もちろん、学習状況の管理や勉強の追い込みが大切ですが、体調を崩してしまうと体力的にも精神的にも思うように学習が進まなくなってしまいますね。これまでもブログでは健康管理のことを取り上げてきましたが、今回は寒さへの対策を紹介しようと思います。
2年前のブログで「防寒対策」に効果的な服装や素材のことを取り上げました。体の表面から熱が逃げることを防ぐために体にしっかりと密着する肌着を着ること、服と体のすき間から熱が逃げることを防ぐために首、手首、足首にすき間のあるダボダボの服は避けるようにしましょうということでした。
今回は中学入試で出題される内容を踏まえて寒さへの対策を考えましょう。
首都圏ではあまり見かけませんが、雪国へいくと寒い日には耳を外側から覆う「耳当て」をしている姿を多く見かけます。また、毛糸でできた帽子を耳までかぶっている姿も多く見かけます。なぜ寒くなると耳を覆うのでしょうか。
体の中でできた熱は体の表面から体の外へ逃げていきます。熱を失った部分は体温が下がって寒いと感じます。風が冷たい日などに耳や鼻が冷たく感じることがありますよね。これは耳や鼻から熱がたくさん逃げてしまっているからです。
ではなぜ耳や鼻なのでしょう?
耳や鼻は目や口などとは違い、体の表面から突き出ています。もっと極端に言えば耳や鼻がある部分は凸凹しているということです。もうわかりましたか?小腸の柔突起や植物の根毛のように凸凹していることで表面積が増えているのです。
体の表面から熱が逃げていきますから、表面積が広いほど熱が逃げやすくなります。そのため耳や鼻から熱が逃げてしまい冷たく感じるのです。もちろん、何もしていない状態だと耳や鼻が冷たい風に直に当たってしまうことも理由の一つです。ですから、熱が逃げやすい耳を覆うことによって熱が逃げることを防ぎ、寒いと感じることをおさえているのです。鼻からも熱が逃げやすいですから、マスクなどで鼻を覆うことも有効な手段ですね。風邪の予防にもなりますから一石二鳥です。
アレンの法則という法則を知っていますか?「同じ種類、もしくは近い種類の恒温動物は寒冷な土地へいくほど耳、首、足、尾などの突出部分が短くなる。」という法則です。具体例としてはキツネがよく取り上げられます。寒い土地の恒温動物は体の表面積を小さくすることで熱が逃げることを防いでいるのです。逆に、あたたかい土地の恒温動物は体の表面積を大きくすることで熱が体から逃げやすいようにして体温が上がりすぎることを防いでいます。
アレンの法則といえば、ベルグマンの法則も忘れてはいけないですね。この法則は、体の中で作り出す熱と体重が関係する法則です。体の中で作り出す熱は体重が大きいほど多くなります。つまり、寒い土地へいくほど同じ種類の恒温動物の体はたくさんの熱を作り出すために大きくなる、ということです。
どちらの法則も、中学入試では題材として取り上げられることが多い法則です。実際に動物の表面積や体積を与えて比較をさせる実験がよく出題されます。どのような法則かを知っていると出題されたときに有利になりますね。
2月1日まであと90日。体も心も健康に、最後の追い込みをしていきましょう。
頑張れ!受験生!